手塚愛子の個展が東京とベルリンの3会場で開催。MA2 Galleryではレンブラントの《夜警》をモチーフにした新作も

ベルリンを拠点に活動を行っている手塚愛子の個展「Flowery Obscurity 華の闇」が、東京・恵比寿のMA2 Galleryで開催される。会期は9月7日〜28日。

手塚愛子 華の闇(夜警) Photo(C)Lepkowski Studios, Berlin

 織物の解体と再構築という独自の手法で作品を展開する手塚愛子の個展「Flowery Obscurity 華の闇」が、東京・恵比寿のMA2 Galleryで開催される。本展は、スパイラル(青山)とGalerie Michael Janssen(ベルリン)での個展と同時期の開催となる。会期は9月7日〜28日。

 手塚は1976年東京生まれ。99年に武蔵野美術大学油絵学科を卒業し、2001年に同大学大学院油絵コースを修了。その後、05年に京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)課程油画領域で博士号を取得した。10年には、五島記念文化賞美術新人賞を受賞し渡英。11年からは文化庁新進芸術家海外研修制度により、2年間研修員としてヨーロッパに滞在した。現在はベルリンを拠点に活動を行っている。

手塚愛子 親愛なる忘却へ(美子皇后について)/ 部分 2019
Photo © Lepkowski Studios, Berlin

 長い海外生活のなかで、手塚が強く意識し考察する「日本/西欧」「美術/工芸」「近代/現代」「過去/現在」は、つねにコンセプトとして作品に内包されてきた。本展で発表される新作は、いずれも明治時代を背景にしている。

 江戸末期に海外に流通した薩摩ボタンの存在に着目したことから、川島織物の歴史や、和装から洋装への転換期にあった美子皇后のマントと和歌などへと徐々に関心がつながっていき、手塚曰く「何かに導かれるように作品ができた」そうだ。

 加えて本展では、アムステルダム国立美術館のキュレーター、チン・リン・ワンからの提案を受けて制作したというレンブラントの《夜警》がモチーフの新作も展示。絵画と工芸、西洋と東洋が融合する同作は、日本での公開後、アムステルダム国立美術館で展示される予定。

手塚愛子 必要性と振る舞い(薩摩ボタンへの考察) 2019
Photo © Lepkowski Studios, Berlin

編集部

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