NEWS / EXHIBITION - 2019.8.11

近代の織物を現代に蘇らせる。ベルリン拠点のアーティスト・手塚愛子の個展がスパイラルで開催

ベルリンを拠点に活動するアーティスト・手塚愛子の個展「Dear Oblivion —親愛なる忘却へ—」が、東京・青山のスパイラルガーデンで開催される。会期は9月4日〜18日。

手塚愛子 必要性と振る舞い(薩摩ボタンへの考察) 制作過程

 手塚愛子の新作個展「Dear Oblivion —親愛なる忘却へ—」が、東京・青山のスパイラルガーデンで開催される。本展は、同会場で12年ぶりの個展となる。

 手塚は1976年東京生まれのアーティスト。99年に武蔵野美術大学油絵学科を卒業し、2001年に同大学大学院油絵コースを修了。その後、05年に京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)課程油画領域で博士号を取得した。

 10年には、五島記念文化賞美術新人賞を受賞し渡英。11年からは、文化庁新進芸術家海外研修制度により、2年間研修員としてヨーロッパに滞在した。現在はベルリンを拠点に活動している。

 学生時代に絵画を学び、絵画構造を解明したいという思いから織物を解き、引き抜いた糸を用いた刺繍作品を中心に展開している手塚。これまでドイツやイギリス、スイスでの展覧会に参加してきたほか、19年には東京都現代美術館リニューアル・オープン記念展「百年の編み手たち -流動する日本の近現代美術 -」や、福岡市美術館リニューアルオープン記念展「これがわたしたちのコレクション+インカ・ショニバレCBE:Flower Power」でも作品が展示され、注目を集めた。 

 本展では、江戸末期に日本から西欧への輸出品として重宝された薩摩ボタンをモチーフにした《必要性と振る舞い(薩摩ボタンへの考察)》、明治期に織られたテーブルクロスを現代に蘇らせる《京都で織りなおし》、洋装を初めて取り入れたことでも知られる昭憲皇太后の大礼服のデザインに着想を得た《親愛なる忘却へ(美子皇后について)》、レンブラントの《夜警》とインド更紗を引用した《華の闇(夜警)》の新作4点を含む作品が展示される。

 上記の新作は、「日本と西欧」「美術と工芸」「近代と現代」「過去と現在」をテーマに据え、それぞれの出会いあるいは分岐についての考察から生み出されたという。手塚の新たな展開に期待したい。