EXHIBITIONS

手塚愛子展「Dear Oblivion ―親愛なる忘却へ―」

2019.09.04 - 09.18

手塚愛子 必要性と振る舞い(薩摩ボタンへの考察) 制作過程

「織物の解体と再構築」という独自の手法を用いた作品が国内外で高い評価を受ける手塚愛子。スパイラルガーデンでは2007年の「薄い膜、地下の森」展以来、12年ぶりとなる個展を開催する。

 手塚は1976年東京都生まれ。2005年京都市立芸術大学大学院油画領域修了後、10年五島記念文化賞美術新人賞により渡英。その後、文化庁新進芸術家海外研修員として渡独し、現在はベルリンを拠点に活動している。

 本展では、日本と西欧、美術と工芸、近代と現代、過去と現在、それぞれの出会い、あるいは分岐についての考察から生まれた新作4点を含む作品が展示される。

 本展で初公開となる新作は、江戸末期、日本から西欧への輸出品として重宝された薩摩ボタンがモチーフの《必要性と振る舞い(薩摩ボタンへの考察)》、明治期に織られたテーブルクロスを現代に蘇らせた《京都で織りなおし》、洋装を初めて取り入れたことでも知られる昭憲皇太后の大礼服のデザインから着想を得た《親愛なる忘却へ(美子皇后について)》、そしてレンブラントの《夜警》とインド更紗を引用した《華の闇(夜警)》。KCI(京都服飾文化研究財団)、川島織物セルコン、共立女子大学博物館、テキスタイル博物館 テキスタイルラボ(ティルブルフ、オランダ)との協働によって制作されたものとなる。