手塚愛子「Flowery Obscurity - 華の闇」

「織物の解体と再構築」という独自の手法を用いた作品が国内外で高い評価を受け、美術館などでダイナミックな展示を行うアーティストの手塚愛子。海外で作品を制作し、生活をするなかで自身が強く意識する、日本・西欧、美術・工芸、近代・現代、過去・現在をコンセプトに据え、歴史上の造形物を引用・編集しながら新たな構造体をつくり出している。

　本展では、この制作意識から生み出された、絵画と工芸、西洋と東洋が融合する新作4点を発表。江戸末期に海外に流通した薩摩ボタンに着目した《必要性と振る舞い（薩摩ボタンへの考察）》、川島織物の歴史をたどり、明治期のテーブルクロスを現代に蘇らせた《京都で織りなおし》、和装から洋装への転換期にあった昭憲皇太后のマントなどをもとにデザインした《親愛なる忘却へ（美子皇后について）》、レンブラントの《夜警》をモチーフとした《華の闇（夜警）》は、アムステルダム美術館での展示に先がけて初披露される。

協力：株式会社川島織物セルコン、公益財団法人 京都服飾文化研究財団、共立女子大学博物館、周防珠実（京都服飾文化研究財団）、テキスタイル博物館 テキスタイルラボ（ティルブルフ、オランダ）、東京都庭園美術館、長崎巌（共立女子大学家政学部教授、共立女子大学博物館長）、Galerie Michael Janssen｜Berlin