世界遺産・清水寺を舞台とした初の展覧会「CONTACT つなぐ・むすぶ 日本と世界のアート」が9月1日から8日間にわたって開催される。
ICOM(アイコム/国際博物館会議)京都大会を記念する本展は、日本と世界のアートにおける両者の接点(コンタクト)をテーマにしたもので、総合ディレクターを務めるのは、数多くの「アート小説」を発表している原田マハ。第二次世界大戦後に発足したICOMの「戦争で分断された世界をミュージアムで再びつなぐ」という設立趣旨に共感し、自ら発起人となりディレクターを務めるに至ったという。
本展の見どころは世界的アーティストの共演、そしていずれも通常非公開の会場での作品展示だ。「成就院」では小堀遠州の作庭による庭園を背景とした作品展示が、「経堂」ではゲルハルト・リヒターによる映像作品が披露される。また重要文化財「西門」「馬駐」のフリーゾーンでは加藤泉のインスタレーションが登場する。さらに、ミヒャエル・ボレマンスによる掛け軸、マティスのもとを訪れた直後に猪熊弦一郎が描いた作品のほか、荒木悠、司馬江漢らによる作品も揃う。
会場では原田マハが執筆した全作品の解説と、本展にあわせて発表予定の短編小説『20 CONTACTS 消えない 星々との短い接触』(幻冬舎より8月発売予定)からの一部抜粋をタブロイド紙に掲載して無料配布されるほか、俳優の竹中直人、映画監督の山田洋次、 噺家の桂南光、ボストン コンサルティング グループ前日本代表の御立尚資をゲストに迎えたトークイベントも行われる。
清水寺1200年の歴史のなかで初めて、西洋近代絵画、現代美術、文学、マンガ、映画など、ジャンルを越えた作品が集結する本展に注目したい。