高畑勲展に奈良美智《鳥への挨拶》から24点の出品が決定

高畑勲の活動を総覧する展覧会「高畑勲展―日本のアニメーションに遺したもの Takahata Isao: A Legend in Japanese Animation」が、東京国立近代美術館で7月2日にスタート。本展に、奈良美智のドローイング作品《鳥への挨拶》全75点より24点の出品が決定した。

奈良美智 鳥への挨拶 2006(部分) © YOSHITOMO NARA 2006

 今年7月2日、東京国立近代美術館で開幕する「高畑勲展―日本のアニメーションに遺したもの Takahata Isao: A Legend in Japanese Animation」。高畑勲の活動を総覧する本展に、奈良美智のドローイング作品《鳥への挨拶》(2006)全75点のうち24点の出品が決定した。

 本作が生まれる発端となったのは、フランスの詩人、ジャック・プレヴェールの詩を高畑勲が翻訳し、奈良美智が絵を担当した詩画集『鳥への挨拶』(ぴあ、2006)。高畑はこの本を制作するにあたり、プレヴェールの詩のイメージと、奈良の描く子供に共通する思いを見出し、奈良に共作を呼びかけたという。

奈良美智 鳥への挨拶 2006(部分) © YOSHITOMO NARA 2006

 そして、この詩画集のために出力された色校正用の紙の上に奈良が新たにドローイングを加えたものが、詩画集とは異なるオリジナル作品 《鳥への挨拶》だ。現在は海外のコレクターが所蔵しているという貴重な本作が、本展にて出品される。

 詩画集『鳥への挨拶』のあとがきに、高畑は次のようなあとがきを寄せている。「奈良さんの子どもたちが、ただ子どもだけを意味しないのと同様、夜の街の暗がりで抱き合う恋人たちも、天井桟敷の立見席で泣いて笑って拍手を送る観客も、プレヴェールによればみんな子どもたちなのです」 。高畑の活動とともに、高畑が魅せられた奈良作品の世界もあわせて堪能してほしい。

編集部

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