2019.6.22

ビットコインと現代美術の双方から「合意形成」を問う。スタートバーンの社内組織・ESPlabの個展がAI KOKO GALLERYで開催

アート×ブロックチェーンの新たなサービスを提供するスタートバーン株式会社。その社内組織であるESPlabによる個展「ESPlab / The Consensus」が、東京・墨田区のAI KOKO GALLERYで開催される。現代美術とビットコインの双方で議論される「合意形成」のゲームとは? 会期は6月28日〜8月10日(完全予約制)。

©ESPlab
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 アート×ブロックチェーンで、「Startbahn.org」など新しいサービスを提供するスタートバーン株式会社。その社内組織であるESPlabの個展「ESPlab / The Consensus」が、東京・墨田区のAI KOKO GALLERYで開催される。

 ESPlabは、プロダクト実装を通してブロックチェーンエンジニアとアートマネージャーの交流を図ることを目的とした組織。本展は、現代美術とビットコインの双方で議論される「合意形成」をめぐるプロダクトを、美術作品として実装する初めての試みとなる。

 ビットコインは、ブロックチェーンを要素に持つ仮想通貨の一種。その新規性は集権的な管理者が存在しないネットワーク上での合意形成の手法にあり、現在ではその特徴を維持しながら、取引情報を一般化するための手法が多く検討されている。

©ESPlab

 いっぽう現代美術においても、言わずと知れたマルセル・デュシャンの《泉》(1917)が代表するように、「ある対象がどのようにして美術とみなされるのか」という問いは重要な主題のひとつと言える。ある作品の美術的価値に関わる合意形成の問題は、現代においてもアーティストが向き合わなければいけない要素として引き継がれている。

 本展でESPlabは、現代美術の定義に関する意見表明をチェーン状に投稿しあうゲームを作成。来場者は、既存の意見表明のなかからひとつを選択して継承するかたちで、所定のテンプレートに従って現代美術の定義に関する意見表明を行う。会期終了までこのプロセスを繰り返して最長となったチェーンを正当な文脈とみなし、それに含まれるブロックの作成者たちには同文脈を活用した報酬を提供するという。

 ビットコインの構造を使用しながら現代美術についての議論を行う、新しい試みとしての本展。なお会期中には、トークイベントやワークショップの開催も予定されている。