官能的な花の世界。イギリスの写真家マーク・ヴァサーロが個展「Emptiness is Form」を伊勢丹で開催中

数々のブランドの広告を手がけるかたわら、「花」をテーマとした写真作品を生み出してきたイギリスの写真家マーク・ヴァサーロ。その個展が、伊勢丹新宿店メンズ館内「ART UP」で開催中だ。会期は6月5日〜27日。

Chinese Peony ©Mark Vassalo

 ロンドンのナショナルポートレートギャラリーをはじめ、イギリス国内外のギャラリーや美術館で展覧会を行ってきた写真家マーク・ヴァサーロ。その個展が、伊勢丹新宿店メンズ館内にあるギャラリースペース「ART UP」で始まった。 

 マーク・ヴァサーロは1971年イギリス生まれ。セントラル・セント・マーチンで美術を学び、92年より日本に拠点を移し活動している。多数のブランドの広告キャンペーンを手がけるいっぽう、個人としても活動。「花」に注目し、その瑞々しさを繊細な写真作品として発表してきた。

Tree Peony ©Mark Vassalo
Cala Lilies ©Mark Vassalo

 近年では静岡県下田の白浜にアトリエを構え、陶芸作品も制作。これららには日本のミニマルな美意識がベースになっているという。作品には白浜のビー チの砂を釉薬と混ぜあわせたり、木々を燃やした炭を練りこんだりと、独特のテクスチャーを見ることができる。

  Conicular Vase with Sakura ash glaze ©Mark Vassalo

 本展タイトルの「Emptiness is Form」はヴァサーロが大切にしているという禅の考え方に由来するもので、「色即是空 空即是色」の英訳「Every form in reality is empty, and emptiness is the true form.」から取られている。会場には、日本の「陰影」に着目したモノトーンの作品が並ぶ。

編集部

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