2019.6.1

リヒターから東寺、シド・ミードまで。今週末に見たい3つの展覧会

6月2日までに終了する展覧会から、とくに注目したい3つをピックアップしてお届けする。この機会をお見逃しなく。

ゲルハルト・リヒター 8 Glass Panels [CR: 928] 2012 © Gerhard Richter Courtesy of  WAKO WORKS OF ART
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リヒターの世界初公開作品から見る新たな表現。「ゲルハルト・リヒター PATH」(ワコウ・ワークス・オブ・アート

ゲルハルト・リヒター PATH [Editions CR: 176] 2018 ed. 19/25 © Gerhard Richter Courtesy of  WAKO WORKS OF ART

 ゲルハルト・リヒターの日本では2年ぶりとなる個展「PATH」が、東京・六本木のワコウ・ワークス・オブ・アートで6月1日まで開催中だ。

 本展の中心となるのは、世界初公開の最新エディション作品《PATH》。同作は、すべて同じ風景写真を印刷したインクジェットプリントの上に、1点ずつ異なるストロークでスクラッチの痕を施したもの。それに加え、2012年の同ギャラリーでの個展「New strip paintings and 8 glass panels」で発表された、大型のガラス立体作品《8 Glass Panels》も特別に再展示される。

会期:2019年4月20日〜6月1日
会場:ワコウ・ワークス・オブ・アート
住所:東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル3F
電話番号:03-6447-1820
開館時間:11:00〜19:00
休廊日:日、月、祝

 

東寺の仏像曼荼羅から、史上最多の15体が集結。「国宝 東寺-空海と仏像曼荼羅」(東京国立博物館

展示風景より、《持国天立像》(平安時代・839) 東寺蔵

 京都を代表する寺院「東寺」では、空海の教えとともに、密教の豊かな造形物の数々が1200年にわたって守り抜かれてきた。そんな東寺に伝わる文化財の全貌を紹介する「国宝 東寺-空海と仏像曼荼羅」展が、6月2日に会期終了を迎える。

 本展随一の見どころは、空海が密教の真髄を目に見えるかたちで表した「仏像曼荼羅」。今回は東寺講堂から15体の仏像が集結し、国宝の11体は全方位360度全方位から鑑賞することができる。そのほかにも密教法具のセット《金銅密教法具》や、貴重な空海の筆跡が残る書状《風信帖》、現存する最古の彩色図で、近年東寺の西院で使用されていたものだと判明した《両界曼荼羅図》(西院曼荼羅〈伝真言院曼荼羅〉)など、東寺の信仰と歴史をいまに伝える至宝の数々を心ゆくまで楽しんでほしい。

会期:2019年3月26日~6月2日
会場:東京国立博物館 平成館
住所:東京都台東区上野公園13-9
電話番号:03-5777-8600(ハローダイヤル)
開館時間:9:30~17:00(金土~21:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月、5月7日(ただし4月1日は東寺展のみ開館、29日、5月6日は開館)
料金:一般 1600円 / 大学生 1200円 / 高校生900円 / 中学生以下無料

 

『ブレードランナー』や『エイリアン2』の原画が勢ぞろい。「シド・ミード展 PROGRESSIONS TYO 2019」(アーツ千代田 3331 1Fメインギャラリー)

キャプション

 会期2週(16日間)にして入場者1万7000人を動員。会期延長を行った「シド・ミード展 PROGRESSIONS TYO 2019」が、6月2日についに閉幕する。

 映画『ブレードランナー』のコンセプトアーティストであり、日本ではアニメ「∀ガンダム」のデザインで知られるシド・ミード。会場は、ミードの膨大なアーカイブより、60年にわたるキャリアの中から自薦したオリジナル作品50点が並ぶ「PROGRESSIONS」や、『スタートレック』(1979)、『ブレードランナー』(1982)および同シリーズ最新作『ブレードランナー2049』(2017)など多数の大作ハリウッド映画のデザイン・スケッチやイラストレーションを展示する「The Movie Art Of Syd Mead」など4つのパートで構成されている。

 東京限定開催で巡回予定がない本展をお見逃しなく。

会期:2019年4月27日〜6月2日
会場:アーツ千代田 3331 1Fメインギャラリー
住所:東京都千代田区外神田6-11-14
電話番号:03-6803-2441
開館時間:11:00〜20:00 ※入場は閉館の30分前まで
休廊日:会期中無休
料金:一般 2000円 / 学生 1000円 / 小学生以下無料