左脳と右脳で楽しむ展覧会とは? nendoによる展示デザインで、サントリー美術館の日本美術コレクションを紹介

東京・六本木のサントリー美術館で、佐藤オオキ率いるデザインオフィス nendoとの共同企画・展示デザインの展覧会「information or inspiration? 左脳と右脳でたのしむ日本の美」が開催される。本展では、同館の日本美術コレクションから選りすぐりの27点を、左脳と右脳の2つに働きかける構成で紹介。会期は4月27日〜6月2日。

 東京・六本木のサントリー美術館で、佐藤オオキ率いるデザインオフィス・nendoとの共同企画・展示デザインによる展覧会「information or inspiration? 左脳と右脳でたのしむ日本の美」が開催される。

 nendoは2002年に設立され、東京とミラノを拠点にインテリアやプロダクト、グラフィックなど幅広くデザインを手がけてきた。また、最近はオーストラリア・ビクトリア国立美術館で、エッシャーとのコラボレーション展「Escher × nendo | Between Two Worlds」を開催(4月7日まで)するなど、アートとの関わりも深い。

菊蒔絵煙草盆 江戸時代後期(19世紀) サントリー美術館蔵 写真=岩崎寛

 展覧会タイトルの「information」は、制作過程や作者の意図・思いを知ることで生まれる「左脳的感動」を、「inspiration」はただ理由もなく心が揺さぶられる「右脳的感動」を意味するもの。本展では、鑑賞者が美術作品を前にした際の感動はこの2つに分けられると仮定し、新しい鑑賞の仕方を提案する。

 このコンセプトのもと展示されるのは、同館が所蔵する作品約3000件から選定された日本美術27点。「information」と「inspiration」の2つの展示空間の間に作品を配置することで、ひとつの作品を通して2つの見方を楽しむことができる。

本阿弥光悦 赤楽茶碗 銘 熟柿 江戸時代前期(17世紀前半) サントリー美術館蔵 Photo by 岩崎寛

 また、会場中央の吹き抜け空間には、nendoによる映像作品《uncovered skies》を展示。日本美術と深く関係する「四季」をテーマに、制作過程や技術的な解説を楽しめる要素と、直感的に作品を体感できる要素を兼ね備えた作品となっている。

 なお本展にあわせて、整理された情報からなる『information』と、作品のディティールに焦点を当てた『inspiration』の2冊をオフィシャルブックとして刊行予定。部数限定のため、気になる方は早めにチェックしてほしい。

薩摩切子 藍色被船形鉢 江戸時代後期(19世紀中頃) サントリー美術館蔵 Photo by 岩崎寛

編集部

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