日本を代表する「イニシャルY」の美術家たち。ハラ ミュージアムアークでの「Yの冒険-原美術館コレクション」展をチェック

「Yの冒険-原美術館コレクション」展が、群馬県のハラ ミュージアムアークで開催されている。本展は、原美術館のコレクションから、日本のアートシーンを牽引する「イニシャルY」の作家たちを紹介するもの。会期は6月30日まで。

横尾忠則 誰か故郷を想わざる 2001 ©︎ Tadanori Yokoo

 現在、群馬県のハラ ミュージアムアークでは展覧会「Yの冒険-原美術館コレクション」が開催されている。本展は、原美術館のコレクションの中から、横尾忠則の大型作品5点とやなぎみわの作品7点を中心に、日本のアートシーンを牽引してきた「頭文字(イニシャル)Y」の作家たちを紹介するもの。

 本展では、横尾の《戦後》(1985)が「特製フレーム」インスタレーション付きで公開される。同作は、1986年にミネアポリスのウォーカーアートセンターが企画し北米を巡回した展覧会「Tokyo:Form And Spirit」のために、横尾が制作した7点組の陶板作品のうちの一つ。

 平滑な大型陶板にシルクスクリーンを施すという高度な技術を用いて、終戦後の東京の明暗を描いた同作は、横尾自身にとっても新たな試みとなった。今回展示される「特製フレーム」は、同展に出品された際に会場構成を手がけていた建築家・磯崎新によってデザイン/展示されたものを、磯崎・横尾両氏の監修のもと再制作したものとなる。

 やなぎが2000年ごろより手がけている「My Grandmothers」シリーズからの「My Grandmothers」シリーズから《My Grandmothers:AI》(2003)も見どころだ。同シリーズは、やなぎが一般公募で選んだ20代の女性たちに「50年後の理想の自分の姿」をイメージしてもらい、対話を繰り返しながら本人をモデルに構成されるもの。

 各作品は、そのシーンに添ったテキストも合わせて展示される。今回展示される《AI》は、子供相手に占いをする高齢の女性を主役にした内容であり、子供たちが辿る退屈な未来を憂いながら、いつか自分の後継者となる少女が現れる日を待つ様子が描かれる。

編集部

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