石川竜一は1984年沖縄県生まれの写真家。2006年に沖縄国際大学社会文化学科を卒業した。同大学在学中に写真と出会った石川は、生まれ育った沖縄の風景や路上、人々の撮影を開始。石川のポートレート的視点で捉えられた被写体は、それぞれエネルギーや表情を持ち、多様な現代日本の姿を鮮烈に浮かび上がらせる。
15年に木村伊兵衛写真賞と日本写真協会新人賞を受賞するなど、高い評価を受ける石川。近年では「okinawan portraits 2012-2016」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト、2016)、「BODY/PLAY/POLYTICS」(横浜美術館、2016)、「六本木クロッシング2016展:僕の身体、あなたの声」(森美術館、2016)など、注目のグループ展にも数多く参加してきた。
今回、大阪のThe Third Gallery Ayaで開催される個展では、石川自身が暮らす部屋の様子や窓から見える光景を撮影した「home work」シリーズが展示される。同シリーズは、カメラを介してとらえた生活空間からの新たな発見をもとに、内と外、個人と社会など、様々なものの境界をつなぐことを試みるもの。
本展を開催するにあたって、石川はこのように語っている。「この作品は僕の家と踊り場から撮影した写真です。政治的なことを孕んでいますが、それ以上にとても個人的なことです」。