昨年10月から国立西洋美術館で展覧会「北斎とジャポニスム HOKUSAIが西洋に与えた衝撃」が開催されるなど、ヨーロッパの印象派の画家たちへの影響が近年改めて注目されている葛飾北斎。その生涯と作品の魅力に迫る初の長編ドキュメンタリー映画『大英博物館プレゼンツ 北斎』が、日本、アメリカ、イギリスの3ヶ国の共同で製作された。

最新の映像技術を駆使して撮影された本作では、北斎の名作をこれまでにない細密さで見ることができるほか、北斎の木版画や肉筆画を再現する日本の職人技を通し、その崇高な芸術を掘り下げていく。さらに映画の最後には、2017年5月から8月にかけて大英博物館で開催された展覧会「Hokusai: Beyond the Great Wave」のガイドツアーも。日本には巡回することのなかった本展を大画面で体験することができるのに加え、その舞台裏も公開する。

また、イギリス人芸術家デイヴィッド・ホックニーや、ニューヨーク在住の日本画家・出口雄樹、本展覧会を担当したキュレーターのティム・クラーク、そして北斎の研究に50年近く情熱をささげてきた学者ロジャー・キースなども登場。北斎の生涯とその業績をたどりながら、90歳まで意欲的に制作を続けた北斎が追い求めた世界に迫る。
