写真「1_WALL」は、35歳以下を対象とした写真の公募展。審査を通過したファイナリスト6名から選ばれたグランプリ1名に、1年後の個展開催の権利が贈られる。
今回個展を開催する中野泰輔は1994年生まれ、武蔵野美術大学映像学科卒業。身近な人物が、自分にはない願望を抱いていることに衝撃を受け制作した《Hyper≠Linking with…》で第18回写真「1_WALL」グランプリに選ばれた。
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中野にとって他者の欲望を知ることは、人間の知られざる顔に出会う経験でもあるという。中野が写し出す人々の姿は、ひとりの人間には場所、ジェンダー、年齢などで区切ることのできない多様な側面があることを示唆している。
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家族や恋人に対して「この人は誰なんだろう」「本当に存在するのだろうか」と思うことがあるという中野。本展ではそこから踏み込んで他者の欲望をテーマとし、幻想的な色彩の写真のうえにゼリー状の膜を張った独自のイメージを発表する。
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