会田誠、しりあがり寿による最新作も。平成の最後を飾る展覧会「Oh!マツリ☆ゴト 昭和・平成のヒー口ー&ピーポー」をチェック

「特別な存在(ヒーロー、カリスマ、正義の味方)」と「無名の人々(公衆、民衆、群集)」という対照的な人間のあり方に焦点を当てた展覧会「Oh!マツリ☆ゴト 昭和・平成のヒー口ー&ピーポー」が兵庫県立美術館で開催される。同展は、立場や考え方によって変化し、とらえがたい存在である人々の集団「ピーポー」と、ピーポーの直面する困難や願望を映し出す鏡としての「ヒーロー」、これらが何なのかを問う作品を紹介するもの。会期は2019年1月12日~3月17日。

会田誠 一人デモマシーン(サラリーマン反対) 2005 Courtesy of Mizuma Art Gallery

 日本の現代美術において、社会的関心が色濃く反映されたものは数々存在する。今回、兵庫県立美術館で開催される展覧会「Oh!マツリ☆ゴト 昭和・平成のヒー口ー&ピーポー」は、そういった傾向を示す作品のなかでも「特別な存在(ヒーロー、カリスマ、正義の味方)」と「無名の人々(公衆、民衆、群集)」という対照的な人間のあり方に焦点を当てて展開されるもの。

 とりわけ「大衆」とも呼ばれる無名の人々に注目した作品群は、どのようにその存在を可視化するのか、そしてどのようにしてそういった人々との間に連帯を築くことができるのかという問いを表現者に投げかけてきた。

 同展では、そういった人々が形成した集団を「ピーポー」と呼び、立場や考え方によってその様相が大きく変化し、分かれていくものであるという事実を示しながら、その姿をとらえがたいものとする。

 かたや同展で注目されるもうひとつの特別な存在「ヒーロー」は、「ピーポー」が直面する困難やその願いを映し出す鏡、あるいはその存在に姿を与える触媒としての役割を担うもの。同展では、人々の暮らしが目まぐるしく変化した昭和と平成の時代のなかで、このような問題意識を軸に「『ヒーロー』や『ピーポー』とは何か」という問いに応える作品が5つのテーマに沿って紹介される。

 加えて、表現方法は異にしながら共通して「ピーポー」に寄り添う姿勢を持つ会田誠、石川竜一、しりあがり寿、柳瀬安里の4名が、同展のために制作した最新作を発表するという。

 アートのみならず、紙芝居やマンガ、アニメ、特撮など、様々な大衆メディアの作例も並ぶ本展は、平成の最後を飾る展覧会として、昭和と平成を生きた人々にとっての「ヒーロー」がどのような時代に生まれたのか、また「ヒーロー」は人々のどのような願いを背負ってきたのかを確かめる機会となる。

編集部

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