キーファーから李禹煥まで。原美術館のコレクションを振り返る「Flash1979 / 1988」が開催中

1979年は原美術館、88年はハラ ミュージアム アークがそれぞれ開館した年。このふたつの年にスポットを当てた展覧会「Flash1979 / 1988」が、群馬・渋川市のハラミュージアム アーク 現代美術ギャラリーで開催中だ。会期は2019年1月14日まで。

アンゼルム・キーファー メランコリア 1988 ⓒAnselm Kiefer

 1979年、原美術館は開館した。当時は第二次オイルショックにより、高度経済成長が終わりを迎えていた。「ポストもの派」や「ニューウェーブ」と称される動向が広まり、クリストとジャンヌ=クロードが、橋などの公共建造物を布で覆うプロジェクトを次々と成功させていたのもこの頃のこと。

大竹伸朗 網膜 #2 (紫影) 1988-90 ⓒShinro Ohtake

 その後の88年、ハラ ミュージアム アークが磯崎新の設計により誕生。日本はバブル絶頂期であり、翌89年には昭和から平成へ元号が変わるなど、大きな変革の渦中にあった。また、同時期にはベルリンの壁が崩壊。美術の分野では、こうした不安定な社会情勢に応答するかのように、アンゼルム・キーファーなどに代表される新表現主義が台頭した。

ルイーズ・ニーヴェルスン 鏡 - 影 XXXX1X 1988 ⓒLouise Nevelson

 このふたつの年に焦点を当てた、ハラ ミュージアム アークで開催中の「Flash1979 / 1988」。本展では、同館の創設30周年を記念して、両年に生まれた原美術館コレクションの数々が展示される。出展作家は、アンゼルム・キーファー、クリスト、ルイーズ・ニーヴェルスン、李禹煥、大竹伸朗、宮島達男など。また、合わせて草間彌生、束芋の作品が長期展示されている。

 なお、同館内の特別展示室 觀海庵では、円山応挙などの作品が並ぶ「いのち・いのり ─ 原六郎コレクション」が同時開催中だ。

編集部

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