EXHIBITIONS
リー・キット「僕らはもっと繊細だった。」
2013年ヴェネチア・ビエンナーレ香港館の屋内外に展開した自在なインスタレーションが、ウォール・ストリート・ジャーナル紙の「必見の展示ベスト5」に挙げられるなど、国際的な注目を集めるリー・キットが日本の美術館では初となる個展を開催する。
リーは1978年香港生まれ、2008年香港中文大学美術学部修士課程修了。97年、中国への返還を経て変貌する故郷・香港でアーティストとしてのキャリアをスタートさせ、現在は台北を拠点に、アジア、アメリカ、ヨーロッパ各地で滞在制作・発表を行う。
初期作のうち、布に絵具で格子柄などを描いた絵画シリーズは、色と柄のある抽象絵画であると同時に、テーブルクロスやカーテンのような日用品としての機能を持つ布という姿かたちを備えた具象であるとも言え、絵画の概念を広げる革新的な試みとなった。近年は、絵画やドローイング、プロジェクターの光や映像、さらには家具や日用品などを配置し、展示空間全体を淡い色調の絵画のように仕上げたインスタレーションに力を入れている。
本展では、展覧会を開催する場所の空気や感情に寄り添い、サイトスペシフィックな作品をつくり上げてきたリーが、原美術館のための新作インスタレーションを発表。もとは私邸であり、第二次世界大戦を乗り越え、GHQから返還された後に美術館として40年を経ようとしている同館でリーが何を感じ、どのような「絵画」を描くのかに注目したい。
リーは1978年香港生まれ、2008年香港中文大学美術学部修士課程修了。97年、中国への返還を経て変貌する故郷・香港でアーティストとしてのキャリアをスタートさせ、現在は台北を拠点に、アジア、アメリカ、ヨーロッパ各地で滞在制作・発表を行う。
初期作のうち、布に絵具で格子柄などを描いた絵画シリーズは、色と柄のある抽象絵画であると同時に、テーブルクロスやカーテンのような日用品としての機能を持つ布という姿かたちを備えた具象であるとも言え、絵画の概念を広げる革新的な試みとなった。近年は、絵画やドローイング、プロジェクターの光や映像、さらには家具や日用品などを配置し、展示空間全体を淡い色調の絵画のように仕上げたインスタレーションに力を入れている。
本展では、展覧会を開催する場所の空気や感情に寄り添い、サイトスペシフィックな作品をつくり上げてきたリーが、原美術館のための新作インスタレーションを発表。もとは私邸であり、第二次世界大戦を乗り越え、GHQから返還された後に美術館として40年を経ようとしている同館でリーが何を感じ、どのような「絵画」を描くのかに注目したい。