歴史上の画家が、絵画と並行して写真作品を残してきた例は少なくない。サイ・トゥオンブリーやエルズワース・ケリーは、写真を絵画制作のための資料としてでなく、独立した写真作品としての表現に成功。同時に、自身の絵画の持つヴィジョンを明確に表した。
親密でありつつ、ときに隔てられた関係性を持つ「絵画」と「写真」。写真の誕生以来、その関係性は複雑に揺れ動いてきた。写真があふれている現代社会のなかで、いまを生きる画家たちは、どのように写真と向き合うのだろうか。
今回、京都のアーティストランスペース・sodaで開催される「画家の写真展」は、そういった絵画と写真の関係性に注目した展覧会であり、本展では、今日のアートシーンを担う7名の画家の「写真作品」を見ることができる。
本展に参加するのは、厚地朋子、榎本耕一、大野智史、荻野僚介、竹崎和征、西村有、八重樫ゆい。著名な美術館やギャラリーでの展示経験も豊富な画家たちが集結する。
本展の企画を務めた同ギャラリーの田中和人は「現代写真がストレート写真表現から離れることで、逆説的に写真の本質に迫ろうとする動きが多いなか、画家の制作する写真が、それとは別の新鮮な光で写真の可能性を見せてくれるのではないか」と語る。
なお、11月10日17時からは参加作家全員とゲストの中村史子(愛知県美術館)を交えたトークイベントも開催される。