原口典之は1946年神奈川県生まれ。60年代後半から、原寸大の戦闘機の模型を作るなど独自の制作活動を始める。その後77年にドイツ・カッセルの「ドクメンタ6」で、鉄の枠組みのなかに廃油を満たした《オイルプール》を発表。国際的な場での鮮烈なデビューを果たす。現在《オイルプール》は《物性Ⅰ》として、広島・尾道のアートベース百島で常設展示されている。
そのほかにも、自転車のパーツを用いた立体作品、ポリウレタンやハニカムを用いた平面作品など、工業的な素材を取り入れた作品で知られる原口。
今回は昨年10月の個展「グレイ」に続き、ケンジタキギャラリー東京での2回目の個展となる。「モノクローム」と題された本展では、白と黒の壁面作品を発表。ミニマルな形体と超然とした表情で、物体や物質の有り様を見せる。