1925年、民藝運動の第一人者として知られる柳宗悦(1889~1961)が、無名の職人たちによる民衆的工芸を「民藝」と名付けた。その「民藝」の特徴でもある土着的なものづくりは、世代を超えて受け継がれていくなかで、素材、色、工程、用途、かたちなどの独自性が際立ち、革新的な発展を遂げた。
今回、東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHTで開催される「民藝 MINGEI -Another Kind of Art」展は、日本民藝館館長を務める深澤直人のディレクションのもと、同館のコレクションを中心に新旧様々な100点あまりの民藝品ををピックアップして展示。
地域ごとの特色が失われ、モノへの愛着が希薄になりがちな今日において、民藝に宿る無垢な美意識と精神性が、使い手のみならずものづくりに携わるすべての人々に大きな衝撃を与え、これからのデザインのインスピレーションとなることを狙う。