2018.9.4

前衛集団「ヒスロム」が過ごした10年。1000平米の空間に広がる巨大なアーカイブは何を示すのか

アーティストグループ「ヒスロム」のおよそ10年にわたる活動を紹介する展覧会「仮設するヒト」が、宮城・仙台のせんだいメディアテークで開催される。本展は、ヒスロムにとって国内初となる大規模な展覧会。会期は11月3日~12月28日。

ヒスロム Documentation of Hysteresis 2009-
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 「ヒスロム」は、加藤至・星野文紀・吉田祐の3名で構成されるアーティストグループ。2009年の結成時より「フィールドプレイ」と称して、野外を中心に身体によるアクションを展開している。

 「山から都市に移り変わる場所」を探索しながら行われるその活動は、土地と身体との接点をいま再び見出そうとするもの。遊びや物語の要素を含んだ記録資料は、映像、写真、立体物のほか、出会った人々を演じることやパフォーマンス、日記、スケッチの作成など様々な方法が実践されており、記録の範疇にとどまらない。

 今回、宮城県仙台市のせんだいメディアテークで開催される展覧会「仮設するヒト」は、映像や立体などの記録物によって、「ヒスロム」のおよそ10年にわたる表現活動をたどるとともに、展示空間全体をひとつのインスタレーション作品としてつくりあげることを狙う。1000平米の空間を使って展示される巨大なアーカイブに、新たな展覧会のかたちを考察したい。

ヒスロム 美整物 2014
ヒスロム Documentation of Hysteresis 2009-
ヒスロム Documentation of Hysteresis 2009-