「対馬アートファンタジア」は、韓国との国境に位置し、固有の自然・歴史・風土を持つ対馬において、同地の人々と日韓をはじめとする各国のアーティストたちとの協働による芸術祭として2011年にスタート。8回目となる今年は、イナ・クゥオン、キム・ドキ、志水児王、飯田博之など全22名のアーティストが参加している。
この展示に先立ち、アーティストが対馬で滞在制作をするアーティスト・イン・レジデンスプログラムが実施された。アーティストによっては、1ヶ月以上にわたって同地に身を置き、対馬固有の歴史・文化・自然をリサーチ。地域住民や他のアーティストとの協働で制作を行うなかで、地域住民およびアーティスト同士の交流も深められたという。
本芸術祭では、アーティスト・イン・レジデンスプログラムにおいてつくられた作品が、対馬の様々な場所で展示されている。今年は市街地である厳原の各所と、対馬の南端に位置する内院の旧小学校を舞台に、絵画、彫刻、メディアアート、サウンドアート、パフォーマンスなどの作品を見ることができる。
古くは価値観の異なる人たちが出会う場所だった対馬において、脈々と承継されてきた文化交流を、現代アートを通じてリバイバルを試みている本芸術祭。アーティストと対馬の出会いにより生まれた芸術作品に、同地が誇る自然・文化・歴史を体感したい。