日韓の国境にある島を舞台に。
「対馬アートファンタジア 2018」が開幕

韓国との国境に位置し、固有の自然・歴史・風土を持つ対馬。現在同地において、日韓を中心とした芸術家が集まり滞在制作と作品展示を行う芸術祭「対馬アートファンタジア」が開催されている。会期は9月30日まで。

イナ・クゥオン Wer sich nicht bewegt, spürt die Fesseln nicht [Who does not move, does not notice the chains] 2016

 「対馬アートファンタジア」は、韓国との国境に位置し、固有の自然・歴史・風土を持つ対馬において、同地の人々と日韓をはじめとする各国のアーティストたちとの協働による芸術祭として2011年にスタート。8回目となる今年は、イナ・クゥオン、キム・ドキ、志水児王、飯田博之など全22名のアーティストが参加している。

 この展示に先立ち、アーティストが対馬で滞在制作をするアーティスト・イン・レジデンスプログラムが実施された。アーティストによっては、1ヶ月以上にわたって同地に身を置き、対馬固有の歴史・文化・自然をリサーチ。地域住民や他のアーティストとの協働で制作を行うなかで、地域住民およびアーティスト同士の交流も深められたという。

キム・ドキ Decomposition 発光ダイオード、国旗 2017 撮影=山本糾

 本芸術祭では、アーティスト・イン・レジデンスプログラムにおいてつくられた作品が、対馬の様々な場所で展示されている。今年は市街地である厳原の各所と、対馬の南端に位置する内院の旧小学校を舞台に、絵画、彫刻、メディアアート、サウンドアート、パフォーマンスなどの作品を見ることができる。

 古くは価値観の異なる人たちが出会う場所だった対馬において、脈々と承継されてきた文化交流を、現代アートを通じてリバイバルを試みている本芸術祭。アーティストと対馬の出会いにより生まれた芸術作品に、同地が誇る自然・文化・歴史を体感したい。

志水児王+飯田博之 Decay music Tsushima 2018

 

 

編集部

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