2018.7.21

ベルリンのファッションレーベル「THERIACA」が初の大規模展覧会を開催。その実験精神に触れる

ベルリンを拠点に活躍するデザイナー・濱田明日香によるファッションレーベル「THERIACA(テリアカ)」が初の大規模展覧会を開催する。会場は島根県立石見美術館にて、会期は7月27日~9月9日。

THERIACA Sofa/ソファー 2018 Photo by Mizuki Kin Hair & Make up : Sayuri Sakairi
前へ
次へ

 「THERIACA(テリアカ)」は、ベルリンを拠点に活動を展開するファッションデザイナー・濱田明日香が、2014年のロンドン芸術大学在学中に立ち上げたレーベルだ。万能解毒剤の名前を引用したというブランド名には、「作品が人のコンディションをポジティブに転換する力となるように」との願いが込められている。

 当初より濱田は、流行や利便性を追うのではなく「着た人が自分らしくいるために必要とされる服」を目指し、丸や四角といった幾何学的な形状を服に落とし込んだコレクションを発表。そのユニークなパターンとカッティングの美しさで注目を集めてきた。

THERIACA Rubik's Cube/ルービックキューブ 2018
Photo by Mizuki Kin Hair & Make up by Sayuri Sakairi

 同レーベルにとって初の大規模展覧会となる「THERIACA 服のかたち/体のかたち」展は、「人」から形をとって服をつくるのではなく、「もの」の形と向き合う中で得た感覚を服に落とし込んだ新作や、サイズやシルエットなどの服の基本要素を濱田独自の視点でとらえ直した作品などが展示される。

 多くの人々にとって見慣れた服からも距離のある濱田の作品は、不思議な存在感を放ち、洗練されていながらユーモラスな印象を併せ持つ。その実験精神あふれる作品群は、「衣服」という言葉からイメージできる範囲を押し広げ、見る者に楽しさと新しさを与えてくれるだろう。

THERIACA Cushion1/クッション1 2018
Photo by Mizuki Kin Hair & Make up by Sayuri Sakairi