和服離れが進む今日もなお、唯一若年層も含めてファンを増やしている「浴衣」。長板中形(ながいたちゅうがた)の型染めや有松絞りなど、伝統的な技法を生かした浴衣から、デザイナーズ浴衣まで、伝統の枠組みにとらわれず、現在の生活のなかで進化しつづけている。
島根県立石見美術館の企画展「ゆかた 浴衣 YUKATA すずしさのデザイン、いまむかし」は、この浴衣文化の変遷をたどるもの。江戸から昭和に至る浴衣や型紙にあわせて、当時の風俗を描いた浮世絵なども紹介。素朴でありながら繊細さを兼ね備えたその魅力を、「デザイン性」と「遊び」の要素から紐解くことを試みる。
また、会期中には、着付けや納涼祭、落語会などといった関連イベントも予定されている。本展とあわせて参加することで、夏の楽しみをより実感することができるだろう。