村井祐希は1995年神奈川県生まれの23歳。多摩美術大学在学中の2015年に初めて公に作品を発表して以来、3つの個展に加え、「瀬戸内国際芸術祭2016」を含む17の展覧会で作品を発表。また、第18回岡本太郎現代芸術賞の特別賞を史上最年少で受賞(2015年当時)したほか、第2回CAF賞 優秀賞、平成27年度優秀学生顕彰文化芸術 優秀賞などを受賞してきた。
MAHO KUBOTA GALLERYでの初個展となる「村井のいっぽ」では、「オムライス絵具」を使用した新作を発表。村井が独自に開発した「オムライス絵具」とは、シリコンと油絵具、あるいはアクリル絵具を混ぜ合わせた画材であり、「それ自体が主体性をもった能動的なマテリアル」だと作家は述べる。
これまで、「着る絵画」「回転する絵画」「鑑賞者に踏みつけられ主体を失くしながら再生する絵画」「空間を覆い尽くす絵画」といった、絵画のあり方を突破するための試行を繰り返してきた村井。
本展で発表する「オムライス絵具」を通して、村井は絵具を人間にとっての「道具」から解放。そして、絵具と人間の関係性を刷新するための実戦を行うという。