美術家・原田裕規の個展「心霊写真 / ニュージャージー」が、東京・馬喰町のKanzan galleryで開催されている。
原田の作品は、社会の中で取るに足らないとされている「にもかかわらず」広く認知されているモチーフを取り上げ、議論喚起型の問題を提起する作品で知られる。
本展は、「心霊写真」展(榮龍太朗との共同企画、2012)、「作者不詳」展(2017)に続く「写真シリーズ」の総集編。展覧会場は「心霊写真編」と「ニュージャージー編」で構成されており、イメージの周りを囲い込む、2つの時間を往来するような体験が得られるという。
「心霊写真編」では、原田が様々な場所で「発見=found」した心霊写真が、その手法自体を「ひけらかす」ように展示。いっぽう「ニュージャージー編」では、原田がニュージャージーに赴いて撮影した写真を「自ら発見したもの=found-photo」と思い込み、撮影者の気持ちを想像して書いた「通信」を添えることによって架空の作者を立ち上げることが試みられる。
なお、本展開催にあわせて、作家にとっては初となる「写真集作品」も会場で発表・予約販売。加えて、3月23日からは東京・王子のコ本や honkbooksでも原田の「回顧展」が開催されるので、あわせてチェックしたい。