白夜と極夜がもたらした「ズレ」とは? 渡辺豪がフィンランドでの体験から生まれた作品を展示

写真や映像を用いた作品を制作している渡辺豪が、東京・天王洲のURANOで個展「ディスロケーション」を開催。フィンランドでの「光」の体験をもとに制作された作品を展示する。会期は3月3日〜4月7日。

渡辺豪 M5A5(部分画像) 2017 ビデオインスタレーション(マルチチャンネル) 48分 © Go Watanabe, Courtesy of URANO

 渡辺豪は1975年兵庫県生まれ。愛知県立芸術大学で油絵を学んだ後、2002年から現在まで一貫してデジタル技術を駆使した映像と写真による作品を国内外で制作・発表している。

 本展では、約1年間のフィンランドでの研修を経て制作された作品を展示する。これまで「光」への興味を深めながら制作を行ってきた渡辺は、フィンランドで1年を通じて「白夜」と「極夜」を体験したことで、身体的、精神的な「ズレ」を感知し、「ディスロケーション/dislocation(ずれること、脱臼、転位、断層などの意味を持つ)」というテーマを着想したという。

 渡辺による精緻な映像の動きは、極めて緩慢で静止画のような印象も受けるが、時間をかけて注視すると少しずつ変化していく。架空の日常風景がリアリティをもって迫ってくる、独自の映像表現を会場で体感したい。

渡辺豪 M5A5(部分画像) 2017 ビデオインスタレーション(マルチチャンネル) 48分 © Go Watanabe, Courtesy of URANO

編集部

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