宇治野宗輝は1964年東京都生まれ。家電などを組み合わせたサウンド・スカルプチャー「The Rotators」シリーズや、輸送用の木箱を建築物に見立てた「Plywood City」シリーズ、カタカナ語をグラフィカルに表現した「日本シリーズ」など、大量消費・大量破棄文化へのアイロニーや、アメリカからの輸入文化に対する考察をもとに作品を制作してきた。
今回の個展は、すべて新作で構成。ヨコハマトリエンナーレ2017で展示された《プライウッド新地》(2017)の発展形ともいえる映像インスタレーション《ライヴズ・イン・ジャパン》(2018)と《電波街(Radiowave Quarter)》(2018)、巨大な配線図のドローイング、そして宇治野が自らの作品制作の原点を「日本人英語」で語るドキュメンタリー風の映像作品《プライウッド・シティ・ストーリーズ 2》(2018)を発表する。
「物質文明のリサーチ」を標榜する宇治野が、あえて「モノ」不在の表現を試みる本展。インターネットや情報化により「モノ」がより小さく、少なくなっていく現代の時代性を反映した、宇治野の新たな展開を見ることができる。