鈴木賢二(1906〜87)は栃木県下都賀郡栃木町(現・栃木市)生まれの版画家・彫刻家。東京美術学校(現・東京藝術大学)彫刻科入学後、プロレタリア美術運動でのマンガやスケッチを発表し、栃木帰郷後には彫刻家として活動したほか、工芸、エッチングでの作品制作も行った。戦後には、社会運動に関わる木版画作品を制作。北関東の戦後版画運動の中心を担うなどその活動は多岐にわたる。
制作の中心に据えられた市井の人々への眼差しは、戦前戦後を通して変わらず、農村に生きる人々、都市労働者、そして子どもたちの姿をいきいきと描き続けた。本展では、鈴木賢二版画館 如輪房の所蔵作品を中心に版画、彫刻、工芸、資料など約350点を紹介。昭和の時代を駆け抜けた、栃木ゆかりの芸術家の姿を回顧する。