想像力を掻き立てる言語と記号。
ローレンス・ウィナーがTARO NASUで個展開催

タイポグラフィによる作品制作で知られるローレンス・ウィナーが、TARO NASUで個展を開催。英語と日本語を用いた新作を発表する。会期は2018年1月13日〜2月10日。

ローレンス・ウィナー LEFT IN A CLEFT OF A TREE © 2017 Lawrence Weiner / ARS, New York / JASPAR, Tokyo Courtesy of TARO NASU

 ローレンス・ウィナーは1942年ニューヨーク生まれ。現在もニューヨークを拠点とし、2007年「As Far as The Eye Can See USA」(ホイットニー美術館、アメリカ)、14年「Some Moved Pictures of Lawrence Weiner」 (グラスゴー現代美術館、イギリス)などの個展のほか、12年の「ドクメンタ13」(ドイツ)や「岡山芸術交流2016」に参加するなど、国際的に活躍している。

 60年代から一貫して、自身の芸術を「インフォメーション」と称し、言語や記号、それらが喚起する想像力に関心を寄せた作品を発表してきたウィナー。「WATER & SOME OF ITS FORMS(水とその形態のいくつか)」と題された本展では、水、塩水、淡水、中性子、黒鉛といった単語と、それらを関係づける文や記号、図形などで構成された新作を発表する。

 英文とともに日本語が使用されている本作の制作にあたっては、ウィナーが用意した英語のテキストに対して画廊側が複数の日本語訳を用意し、翻訳のニュアンスに踏み込んだディスカッションを経て、ウィナーが日本語訳を選択するという方法がとられたという。「意味や心象の翻訳をしようとしてもしきれない何かが文化の本質である」というウィナーの確信が色濃く反映された作品となっている。

編集部

Exhibition Ranking