ライアン・ガンダー(1976年、イギリス生まれ)は、現在ロンドンとサフォークを拠点に活動。作品そのものだけでなく、作品にまつわる思考を重視し、鑑賞者の認識を拡張するようなコンセプチュアル・アートを特徴とするアーティスト。その表現形態は、オブジェ、インスタレーション、絵画、写真、映像、印刷物など多岐にわたる。
近年では、2012年のドクメンタ13、11年のヴェネチア・ビエンナーレなどに参加したほか、個展「Make every show like it’s your last」は、13年から16年にかけて、ヨーロッパ、アメリカ大陸にまたがる6か国を巡回。日本では、11年に個展「墜ちるイカロスー失われた展覧会」(東京・メゾンエルメス)を開催したほか、ヨコハマトリエンナーレ2011、岡山芸術交流2016などにも参加している。
日本の公立美術館における初の大規模個展となる本展では、代表作と最新作あわせて約60点を展示。美術全般についての考察、見ることについての洞察、日常経験の分析などを背景として生まれた、多様な作品が展開される。
また、同館では、美術史全般への造詣も深いライアン・ガンダーが、自ら発案したコンセプトにより展示を構成する所蔵作品展も同時開催。比較して考えるという人間の本能的な能力を前提とし、多数の所蔵品をペアにして紹介する。会期中には、作家本人によるトーク・パフォーマンスも開催される。