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世界が注目するアートスタートアップ「Avant Arte」。若き起業家が目指すアート界の変革とは?

アートの発見と収集をより身近なものにすることを目的とし、2015年にクリスチャン・ラウテン(当時21歳)とカーティス・ペニング(当時19歳)によって設立されたオンラインマーケットプレイス「Avant Arte(アヴァン・アルテ)」。100ヶ国以上で300万人以上のユーザーを抱える同社の若き創設者に、スタートアップとしての歩みや急成長を遂げた現在の状況、今後のビジョン、さらに日本のアートシーンについて聞いた。

文=貝谷若菜

ジョージ・コンドのシルクスクリーン製作風景(メイク・レディ社の印刷工場にて)image courtesy of Avant Arte © Lucy Emms

Avant Arteが描く新しい世代のアートコレクター像

 ”多くの人がアートコレクターに対して固定観念を抱いている。グーグルで ‘アートコレクター’ と画像検索すると、『ブレザーを着て、デザイナー眼鏡をかけ、自宅の膨大な油絵コレクションの前に立っている年配の裕福な男性』という固定観念的な画像が出てくる。”

 この一文は、今年の4月にAvant Arteが発表した『THE NEW GENERATION OF ART COLLECTORS: Collector Report 2024』の導入からの抜粋である。Avant Arteは、このような従来のアートコレクターの『スノッブ、富裕層向け』といった印象を一蹴し、誰でもがアートを身近に楽しむことができるよう、新しい世代のアートコレクターのためのサービスを提供し、コミュニティを形成することを目指している。

創業者であるクリスチャン・ラウテンとカーティス・ペニング
『THE NEW GENERATION OF ART COLLECTORS: Collector Report 2024』

 このプラットフォームを立ち上げたのは、SNSを通じて現代アートを知り、学び、魅了された2人の若者、クリスチャン・ラウテンとカーティス・ペニング。いわゆる美術教育やアート界とは無縁だった2人が2015年、Avant Arteを設立し、世界中に300万人以上のユーザーを抱えるアートコミュニティを築き上げるにいたった背景には、デジタルネイティブならではのきっかけがあった。ラウテンは当時の様子をこう語る。

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