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2023年のアートシーンを振り返る。巨匠たちの訃報からミュージアムの予算不足まで

今年はミュージアムを取り巻く厳しい状況が一躍注目を集める年となった。ここではウェブ版「美術手帖」で取り上げたニュースをもとに、2023年のアートシーンを振り返る。

国立科学博物館

1月

・文春オンラインと『文藝春秋』において、東京国立博物館の藤原誠館長による緊急寄稿(「このままでは国宝を守れない」)が掲載され、大きな話題を集めた。

・1月9日に岡山県立美術館で前代未聞のイベントとして、美術館学芸員によるラップバトルトーナメントが行われた。

・2021年4月に開館した長野県立美術館を代表する常設作品である中谷芙⼆⼦の《霧の彫刻 #47610 -Dynamic Earth Series Ⅰ-》(2021)の使用を巡り、作家が異議申し立てを行った

・国内外作家による109点もの作品が点在する、国内屈指のパブリック・アートの集積地として知られる「ファーレ立川」で、岡﨑乾二郎の作品《Mount Ida─イーデーの山(少年パリスはまだ羊飼いをしている)》の撤去騒動が勃発。立川タカシマヤS.C.の改装計画に伴い、同店閉店(1月31日付)ののち、2月以降の撤去が計画されていたが、保存されることとなった。

ファーレ立川にある岡﨑乾二郎の《Mount Ida─イーデーの山(少年パリスはまだ羊飼いをしている)》

2月

・株式会社リコーが、東京・銀座4丁目交差点にある三愛ドリームセンターの建て替えを発表。新たなビルは2027年の竣工を予定している。

・現存するとされるフェルメールの作品37点のうち、28点を集めた「Vermeer」展がアムステルダム国立美術館で開催。6月までの会期で65万人を動員した。

「Vermeer」展展示風景より、中央が《マリアとマルタの家のキリスト》(1654-55頃) Photo Rijksmuseum/ Henk Wildschut

・2月14日のバレンタインデーにバンクシーが新作《Valentine’s day mascara(バレンタインデー用マスカラ)》を公開した

・アメリカ出身のプロデューサー、ソングライター、ファッション・デザイナーであるファレル・ウィリアムスが、ルイ・ヴィトンの新たなメンズ・クリエイティブ・ディレクターに起用された

・国の栄誉機関である日本芸術院が令和4年度日本芸術院会員候補者を発表。田渕俊夫(絵画)、宮田亮平(工芸)、横尾忠則(建築・デザイン)、杉本博司(写真・映像)、観世清和(能楽)、豊竹咲太夫(文楽)、麻実れい(演劇)、白石加代子(演劇)、黒柳徹子(映画)の9名が新たに会員となった。

・プレカリアートユニオン アーティスト支部内に、日本初の現代美術家のための労働組合「アーティスツ・ユニオン」が結成された

・ロシアのウクライナ侵攻開始から1年の節目に、バンクシーがキーウ近郊で描いた作品の切手がウクライナで発売された

・愛知県美術館で行われていた「展覧会 岡本太郎」において、作品が損壊される事件が発生した

3月

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