『シン・エヴァ論』著者が読み解く「庵野秀明展」。美術史に登録される特撮・怪獣文化
『トップをねらえ!』や『新世紀エヴァンゲリオン』、そして『シン・エヴァンゲリオン劇場版』や『シン・ゴジラ』など数々のヒット作を手がけてきた庵野秀明。その活動の全貌を紹介する世界初の展覧会「庵野秀明展」が国立新美術館で開催されている。膨大な作品・資料によって構成されたこの展覧会を、『シン・エヴァンゲリオン論』(河出書房新社)著者の藤田直哉が読み解く。
『トップをねらえ!』や『新世紀エヴァンゲリオン』、そして『シン・エヴァンゲリオン劇場版』や『シン・ゴジラ』など数々のヒット作を手がけてきた庵野秀明。その活動の全貌を紹介する世界初の展覧会「庵野秀明展」が国立新美術館で開催されている。膨大な作品・資料によって構成されたこの展覧会を、『シン・エヴァンゲリオン論』(河出書房新社)著者の藤田直哉が読み解く。
フィンセント・ファン・ゴッホを代表するモチーフと言えば「向日葵」が思い浮かぶ人も多いだろう。しかしそれと同じようにゴッホが熱中した画題が「糸杉」だった。「ゴッホ展──響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」(東京都美術館)の出品作である《夜のプロヴァンスの田舎道》などを手がかりに、ゴッホの関心が向日葵から糸杉へと移っていった経緯をたどる。
熊本県南端に位置する津奈木町では、1984年よりアートによる町づくりが継続している。その拠点として開館したつなぎ美術館も開館20周年を迎え、3年に及んだ現代アーティスト柳幸典による地域プロジェクトの集大成を今年発表。柳の発案により、写真集『MINAMATA』を遺したユージン・スミスの写真展も開催中のほか、いくつも並行してアートプロジェクトが進行している。
作品が発表されるたびに世間の大きな注目を集める覆面アーティスト、バンクシー。有料の展覧会が世界各国で開催されているが、それらはバンクシー本人が合意していない「非公認」で「非公式」なものだ。本稿では、2回に分けてこの作家不在の“非公式シリーズ”について考える。第1回では法的な合法性や問題点について、アートと著作権問題に詳しい弁護士・木村剛大に聞いた。
クラブカルチャーが深く根づいた都市、ドイツ・ベルリンだが、新型コロナウイルスでクラブも大きな打撃を受けた。こうしたなか、ベルリンを代表するクラブである「Berghain」と、プライベート・ミュージアムである「Boros Collection」が連携した展覧会「STUDIO BERLIN」を開催。この試みをレポートする。
美術館や動物園などを含む「博物館」を規定する法律「博物館法」。その改定に関する議論が文化庁に設置された文化審議会で進められている。登録博物館制度の改革が言及された7月30日公表の「博物館法制度の今後の在り方について(審議経過報告)」を、博物館学が専門の名古屋大学大学院教授・栗田秀法が読み解く。
『美術手帖』2021年10月号は「アートの価値の解剖学」特集。雑誌『美術手帖』編集長・望月かおるによる「Editor’s note」です。
美術館でカーボンニュートラルを実現するため、国際美術館会議(CIMAM)が発表した「美術館の実践における環境維持に関するツールキット」。この意義を、CIMAM会長で森美術館館長の片岡真実が説く。
今年3月から6月にかけて熊本市現代美術館で開催された企画展「段々降りてゆく 九州の地に根を張る7組の表現者」は、九州を拠点にする同時代の表現者7組を紹介する展覧会だった。しかし本展では、本来参加が予定されていた外山恒一が展示前に除外されるという事態が起こっていた。本件を起点に、参加作家のひとりである加藤笑平が美術館で展示することの意味を問う。
7月14日に逝去したフランスを代表する現代アーティスト、クリスチャン・ボルタンスキー。その制作テーマや代表的なプロジェクトについて、親交があったサーペンタイン・ギャラリーのアーティスティック・ディレクター、ハンス・ウルリッヒ・オブリストが振り返る。※本稿は7月22日に「FRIEZE」にて初めて公開された。
9月30日まで延長された緊急事態宣言による主要美術館・博物館の臨時休館情報をまとめています(随時更新)。最新情報は各館公式サイトやSNSをご確認ください。
新着のアート&カルチャー本の中から毎月、注目の図録やエッセイ、写真集など、様々な書籍を取り上げる、雑誌『美術手帖』の「BOOK」コーナー。「もの派」の代表的な作家・李禹煥の思索を収めた『両義の表現』から、研究者とアーティストによる死や「葬い」をめぐる討論を記録した『葬いとカメラ』まで、注目の新刊を3冊ずつ2回にわたり紹介する。
新着のアート&カルチャー本の中から毎月、注目の図録やエッセイ、写真集など、様々な書籍を取り上げる、雑誌『美術手帖』の「BOOK」コーナー。待望の宇佐美圭司回顧展「よみがえる画家」のカタログから、多木浩二が未来派を検証する『未来派 百年後を羨望した芸術家たち』まで、注目の新刊を3冊ずつ2回にわたり紹介する。
香港と隣接する中国初の経済特区で、「アジアのシリコンバレー」とも呼ばれる中国広東省の深セン。そのアート市場やアートシーンの現状、そして今後の発展について関係者に話を聞いた。
今年の夏も大型展覧会が目白押しの首都圏。そのなかから、編集部がとくにおすすめしたい10の展覧会をピックアップした。
『美術手帖』2021年8月号は「女性たちの美術史」特集。雑誌『美術手帖』編集長・望月かおるによる「Editor’s note」です。
新着のアート&カルチャー本の中から毎月、注目の図録やエッセイ、写真集など、様々な書籍を取り上げる、雑誌『美術手帖』の「BOOK」コーナー。アートに関する倫理について専門家たちによる現場の声を集めた実践的な一冊『未来のアートと倫理のために』から、「ファッション」を語るための原理的な問いに答える『言葉と衣服』まで、注目の新刊を3冊ずつ2回にわたり紹介する。
新着のアート&カルチャー本の中から毎月、注目の図録やエッセイ、写真集など、様々な書籍を取り上げる、雑誌『美術手帖』の「BOOK」コーナー。明治以後の企業人による芸術支援を概観する『企業と美術』から、ニューメディアとしての「テレビジョン」がアートに与えた影響を探る『虚像培養芸術論』まで、注目の新刊を3冊ずつ2回にわたり紹介する。
6月25日から東京・新宿区のギャラリーで開催予定だった企画展「表現の不自由展・その後 TOKYO EDITION+特別展」が、会場での妨害行為などによって会場変更を余儀なくされた。表現の自由をも揺るがすこの状況を受け、いま何がなされるべきか? 武蔵野美術大学教授で憲法研究者の志田陽子が論じる。
今年3月、東京都が保管する戦争体験者の証言ビデオが、20年以上にわたって活用されず封印状態にあることが報道された。戦争の資料をどう公開し、伝えていくべきなのか。資料や人々との対話をもとに、戦争や災害の歴史と記憶に向き合い作品を発表してきたアーティスト・藤井光による寄稿。