INSIGHT - 2018.4.27

GWはどこに行く?
いま見るべき15の展覧会を
ピックアップ【首都圏編】

いよいよ2018年のゴールデンウィークまでもう少し。そこで旅行の計画に加えたくなるような、各地で開催されている大型展覧会から、編集部が注目する15の展覧会を3回に分けてピックアップ。第1弾は首都圏編。

森美術館「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」より 齋藤精一+ライゾマティクス・アーキテクチャーによる、体験型インスタレーション《パワー・オブ・スケール》の展示風景

森美術館「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」より 齋藤精一+ライゾマティクス・アーキテクチャーによる、体験型インスタレーション《パワー・オブ・スケール》の展示風景

 国宝《待庵》の原寸大再現も。
「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」
(森美術館)

原寸大で再現された待庵

 東京の観光名所・六本木ヒルズ内にある森美術館では、日本の建築全体をテーマにした展覧会「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」が開催中だ。日本の建築の歴史を100のプロジェクト、400の展示物を通して概観するものとなっている。

 なかでも注目なのは、国宝《待庵》の原寸大再現。《待庵》は、千利休が1581年頃に大山崎在住中に建てたといわれる小間の茶室で、今回の原寸大模型ではその特徴でもある二畳の茶席やにじり口などの細部までが再現されているので、要注目。

 ほかにも、齋藤精一+ライゾマティクス・アーキテクチャーによる、体験型インスタレーション《パワー・オブ・スケール》は見逃せない。最新技術のレーザーファイバーと映像によって、古今の日本建築における空間概念を実物大のスケールで投影するといった、森美術館のスケールを活かした展示た。

 古今の日本建築を、木造の再現から最新テクノロジーなど様々な表現方法で提示する、見応えのある展覧会だ。

|建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの

会期:2018年4月25日~9月17日
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00~22:00(火〜17:00)※入館は閉館の30分前まで
料金:一般 1800円 / 大高生 1200円 / 4歳〜中学生 600円
休館日:会期中無休

モノクロームの世界を楽しむ。
「五木田智央 PEEKABOO」
(東京オペラシティ アートギャラリー)

近作が並ぶ展示室

 新宿からほど近い、初台の東京オペラシティ アートギャラリーでは、五木田智央の個展に注目したい。五木田は、1960〜70年代のアメリカのサブカルチャーやアンダーグラウンドの雑誌や写真にインスピレーションを受けた、黒と白のモノクロームを基調とする作品で知られている。

 本展では最新作をはじめ、800点以上のドローイングを用いた大規模なインスタレーション作品や近年の代表作など、約40点の作品が展示されている。その多くは2017年秋以降の半年間という短期間に制作されたもので、五木田の精力的な制作活動とともに、現在作家が追求している表現をリアルタイムで見ることができる展示だ。

 オペラシティにはアートギャラリーのほかにも、「芸術と科学技術が交流する拠点」である、NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)の展示も楽しめる。こちらは特別展以外は無料で入場できるので、合わせてチェックしてほしい。

|五木田智央「PEEKABOO」

会期:2018年4月14日〜6月24日
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2
電話番号:03-5777-8600
開館時間:11:00〜19:00(金土〜20:00)
料金:一般 1200円 / 大高生 800円 / 中学生以下無料
休館日:月(4月30日は開館)

近代日本画の巨匠、その業績に注目。
「生誕150年 横山大観展」
(東京国立近代美術館)

展示風景より《生々流転》(1923)の部分

 日本美術の分野では、近代日本画の巨匠である横山大観の代表作が集まる回顧展が開催中だ。

 明治期、第1期入学生として東京美術学校(現・東京藝術大学)に学んだ大観は、理想や概念を絵にする「理想画」、輪郭線を描かずに絵画を組み立てる「朦朧体」などに取り組み、その後は低迷していた美術団体「日本美術院」を再興するなど、近代日本画のひとつの歴史をつくり上げた。その活動の歴史を多くの作品とともに振り返りたい。

 本展では、大観の水墨技法が余すことなく注ぎ込まれた40メートル超の日本一長い画巻《生々流転》(重要文化財)が一挙公開されるほか、絢爛豪華な代表作の《夜桜》《紅葉》を同時に展示。ほかにも2017年に約100年ぶりに発見された《白衣観音》《彗星》などの新出作品や習作などの資料91点が一堂に会する。

 また、東京国立近代美術館では、充実のコレクション展「MOMAT コレクション」にも要注目。多くの重要文化財をはじめ「横山大観展」にあわせたテーマ展示や、西洋美術も同時に楽しむことができる。

|生誕150年 横山大観展

会期:2018年4月13日〜5月27日
会場:東京国立近代美術館
住所:東京都千代田区北の丸公園3-1
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00〜17:00(金土〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし4月30日は開館)
料金:一般 1500円 / 大学生 1100円 / 高校生 600円 / 中学生以下無料

 

様々なヌード表現と対峙する。
「ヌード展」(横浜美術館)

オーギュスト・ロダン 接吻 1901-04

 横浜・みなとみらいの横浜美術館で開催中の、世界屈指の西洋近現代美術コレクションを誇るイギリス・テートの所蔵作品を中心にした「ヌード展」は、今シーズン見逃せない展覧会のひとつ。美術の歴史を語る上で、もっとも重要なモチーフであるヌード。本展覧会は19世紀後半のヴィクトリア朝の神話画から現代の身体表現まで、西洋美術の200年にわたる裸体表現の歴史を紐とくという充実の内容だ。

 なかでも注目したいのでは、日本初公開となるオーギュスト・ロダンの高さ180センチ余りの大理石彫刻《接吻》。世界にたった3点しか存在しない傑作のうちのひとつを見ることができる。ほかにも、ピエール・ボナールやフランシス・ベーコン、デイヴィッド・ホックニー、シンディ・シャーマンなどジャンルと時代を超えたヌード作品、134点が一堂に集まる。

 19世紀の傑作だけではなく、挑戦的な現代美術の作品も多く展示されており、その表現方法の違いと歴史に注目したい。また、同館のコレクション展示室では奈良美智や岸田劉生の油彩画も展示されている。こちらも企画展示室に劣らない質と量なので、時間に余裕を持って訪れたい。

|ヌード NUDE―英国テート・コレクションより

会期:2018年3月24日~6月24日
会場:横浜美術館
住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
開館時間:10:00~18:00(5月11日、6月8日〜20:30) ※入館は閉館30分前まで
休館:木、5月7日(ただし5月3日は開館)
料金:一般 1600円 / 大学・専門学校生 1200円 / 中学・高校生 600円 / 小学生以下無料

稀代のマルチ・アーティストの創造に迫る。
「ブルーノ・ムナーリ
こどもの心をもちつづけるということ」
(神奈川県立近代美術館 葉山)

ブルーノ・ムナーリ 穴のあるコンポジション 1950 カーサペルラルテ=パオロ・ミノーリ財団
©Bruno Munari. All rights reserved to Maurizio Corraini srl. Courtesy by Alberto Munari

 GWには少し遠出をしたいというときは、神奈川県立近代美術 葉山へ訪れてはいかがだろうか。ここでは現在、イタリア出身の芸術家・ブルーノ・ムナーリの回顧展が開催されている。

 ムナーリは芸術家としての活動をはじめ、グラフィックデザイナーとして雑誌の装丁を手がけたほか、可愛らしい絵本や、洗練されながらもあたたかみのあるプロダクト・デザインなど、多分野にわたる作品を次々に発表したことで知られている。その類まれな才能を存分に楽しめる展覧会だ。

 

 本展では、日本初公開となるムナーリの初期作品も展示されている。キネティック・アートでありモビールの先駆けとなる《軽やかな機械》《役に立たない機械》といった作品のバランス感覚からは、後にデザインの分野でも活躍する若き日のムナーリの才能を垣間見ることができる。

 初期から晩年にいたるまでの作品、約320点を紹介する日本最大の回顧展。コレクション展「抽象の悦び」と同時に楽しみたい。

|「ブルーノ・ムナーリ こどもの心をもちつづけるということ」

会期:2018年4月7日〜6月10日
会場:神奈川県立近代美術館 葉山
住所:神奈川県三浦郡葉山町一色2208-1
電話番号:046-875-2800
開館時間:9:30〜17:00 ※入場は閉館の30分前まで
料金:一般 1200円 / 20歳未満・学生 1050円 / 65歳以上 600円 / 高校生 100円 ※中学生以下無料