EXHIBITIONS

建物公開2022 アール・デコの貴重書

2022.04.23 - 06.12

『20世紀近代装飾芸術百科事典』(1927) 東京都庭園美術館蔵

『近代装飾芸術年鑑』(1924) 東京都庭園美術館蔵

東京都庭園美術館 外観南面

東京都庭園美術館本館 大客室壁画

東京都庭園美術館本館 ベランダ

 東京都庭園美術館が、旧朝香宮邸の建築の魅力を紹介する「建物公開2022 アール・デコの貴重書」を開催している。年に一度の建物公開展。今回のテーマは、1920年代から30年代のアール・デコ期の貴重書に着目したもの。

 1920年代の滞欧中、当時全盛期だったアール・デコの様式美に魅せられ、帰国した朝香宮夫妻。自邸を建設するに当たり、主要な部屋の内装設計をフランスの室内装飾家アンリ・ラパンに依頼し、ルネ・ラリックをはじめとしたデザイナーが参加するなど、フランス直輸入のアール・デコ様式を取り入れた邸宅が誕生した。現在、旧邸は東京都庭園美術館本館として活用され、内部の改造をわずかにとどめ、竣工時の様態を色濃くいまに伝えている。

 そうした背景から、同館ではフランスの装飾美術に関する書籍や雑誌、1925年のアール・デコ博覧会に関連した文献資料などを所蔵している。本展では、アール・デコ期の貴重書を中心に、本館と新館それぞれに展示する。

 華やかなショーウインドウの写真集、博覧会やインテリアの特集雑誌、色鮮やかに表現された絵本など、当時の貴重書を通して装飾性豊かなアール・デコの世界へ案内するとともに、本館では窓のカーテンを開け放ち自然の光を感じる空間で、家具や調度を用いた邸宅空間を再現展示する。

 会期中の4月から6月は庭園の緑が美しい季節。様々な表情を見せる庭園の景色を眺めながら、ゆったりとした時間のなかで鑑賞を楽しむことができる。