EXHIBITIONS

開館10周年記念

Forward to the Past 横尾忠則 寒山拾得への道

2022.04.09 - 07.18

横尾忠則 寒山拾得 2020 2019 作家蔵

横尾忠則 突発性難聴になった日 2019 作家蔵(右画面:横尾忠則現代美術館蔵)

横尾忠則 二刀流再び 2021 作家蔵

横尾忠則 高い買い物 2020 作家蔵

横尾忠則 ディナーパーティーの話題 1982 国立国際美術館蔵

 横尾忠則現代美術館は、開館10周年記念展「Forward to the Past 横尾忠則 寒山拾得への道」を開催する。

 本展で紹介する横尾忠則の最新作は、新型コロナウイルス感染症の流行によって外出も人と会うこともままならなかった横尾が、アトリエに篭り、制作に打ち込むことで生まれた。

「これまでの作品とは異なるタイプ」と作家が言うように、これらの作品は画家としての新たなステージを示すもの。なかでも大きなテーマとなっている「寒山拾得」のモチーフは、中国・唐時代のふたりの僧が、山に住み、詩を詠むも奇行を重ねるという特徴から数々の文学や美術に取り上げられてきた。

 俗世から離れ、創作活動に勤しむ寒山と拾得の姿に、横尾は何を見たのか。本展では、新作を一堂に展覧するとともに、過去の作品を参照することで、作家自身が「朦朧体」と呼ぶ最新の様式こそが、じつは数十年におよぶ絵画との格闘と模索の末に到達した、理想の境地だったのではないかということを考察する。