EXHIBITIONS

泉太郎「コドクエクスペリメント」

2022.03.12 - 04.09

© Taro Izumi Courtesy of Take Ninagawa, Tokyo

 Take Ninagawaでは、泉太郎による新作個展「コドクエクスペリメント」を開催する。

 泉太郎は1976年奈良県生まれ。2002年に多摩美術大学大学院美術研究科修士課程を修了。映像を起点に、言語などのシステムやルール、感覚や感情、身体についての問いを幾重にも重ね合わせた実験的な作品を展開している。主な個展に「ex」(ティンゲリー美術館、バーゼル、2020)、「Pan」(パレ・ド・トーキョー、パリ、2017)、「突然の子供」(金沢21世紀美術館、2017)など。また2023年1月には東京オペラシティ アートギャラリーにて、東京では初めての美術館個展を予定している。

 本展では泉が強烈に惹かれてやまない「不認知のプロセス」について言及した作品を、映像インスタレーション、VR、平面で展開する。センターピースとなるVRを用いた映像インスタレーションは、空き地の背高泡立草をモチーフに、認知する・されるプロセスをひも解くための装置として提示される。

「足元にボールがあるとする。左右には巨大な壁が建っている。壁の表面は凸凹していて、衝撃が加わるたびに凸凹の形はずっと変わり続けるようだ。右側の壁に向かって蹴られたボールは凸凹のせいで奇妙な形の弧を描いて跳ね返り、左側の壁の凸凹のおかげで思ってもない方向から右側の壁に帰ってきて、壁と壁のあいだで行き来し続ける。やがて大きく軌道を外して左右の壁の隙間に消えたとしても、また別の壁と出会うかもしれない。ややこしく変化し続ける軌道の跡を出来うる限り覚えておくことで、凸凹の形をしつこく探り続ける。ボールの弾力は保たれていないといけない。

aのことを考えるためにbを生み出し、bのことを考えるためにaを改造し、改造されたaのことを考えるためにbをズラして、ズレたbのことを考えるためにaを壊し、壊れたaのことを考えるためにbを耕して、耕したbのことを考えるためにaを眺める、aを眺めて考えたことをbに伝える。伝えられたbはaを理解できるだろうか。cにも聞いてみたい(泉太郎)」。