EXHIBITIONS

ジャポニスム―世界を魅了した浮世絵

2022.01.12 - 03.06

イワン・ビリービン アレクサンダー・プーシキン著『サルタン王物語』挿絵 1905初版
国立国会図書館国際子ども図書館蔵(2022年1月12日〜2月6日展示)

葛飾北斎 冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏 天保2-4(1831-33)頃 個人蔵

アンリ・ソム ジャポニスム 1881 ジマーリ美術館蔵

ルイーズ・アベマ 日本庭園のサラ・ベルナール 1885頃 ジマーリ美術館蔵

鈴木春信 夜の梅 明和3(1766)頃 メトロポリタン美術館蔵

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック ディヴァン・ジャポネ 1893 ジマーリ美術館蔵

 千葉市美術館が「ジャポニスム―世界を魅了した浮世絵」を開催。浮世絵の名品を中心に、欧米、ロシアからジャポニスムの作品を加えた約220点を展示する、これまでにないユニークなテーマの浮世絵展。

 19世紀後期〜20世紀初めにかけて、大量に海を渡った日本の美術工芸品は、西洋の美意識に大きな影響を与え、「ジャポニスム」という動向として広がっていった。なかでも浮世絵版画は、多くの西洋画家たちに直接影響を与えたことが知られている。

 西洋の芸術家たちが浮世絵に出会った時、何を新しいと感じ、感動し、自らの芸術に取り入れようとしたのか。本展は、ジャポニスムの画家たちの作品が浮世絵から取り入れた視点をきっかけとして、浮世絵の特性と魅力を再発見しようとするもの。様々な視点からジャポニスムの熱狂が世界に広がる様子を紹介する。

 本展には、北斎や広重、ゴッホ、ホイッスラーなど総勢70人の作家による浮世絵とジャポニスムの名品が集結。西洋美術史からの言及ではなく、浮世絵の構図や視点、色といった多角的なテーマからジャポニスムを検証し、現代では当たり前のように見てしまっている浮世絵の魅力や特徴を改めて認識することを試みる。

 さらに、これまで⽇本で本格的に紹介されることのなかったロシアのジャポニスムに注目。広重から影響を受けたとされる、木版画を中心としたロシアにおけるジャポニスムの作品も展示される(会期中、展示替えあり)。