EXHIBITIONS

鬼頭健吾「big rip」

2021.10.31 - 12.26

鬼頭健吾 big rip 2021

 rin art associationで、鬼頭健吾の個展「big rip」が開催されている。12月26日まで。

 鬼頭は1977年愛知県生まれ。2001年に名古屋芸術大学絵画科洋画コースを卒業後、03年に京都市立芸術大学大学院美術研究科油画を修了。08〜09年には五島記念文化賞受賞によりニューヨークに滞在し、その後ドイツ・ベルリンにて制作・活動。現在は群馬を拠点に、国内外で作品を展開している。

 フラフープやシャンプーボトルなど、工業製品の現代的なカラフルさと、生命体や宇宙を感じさせるような広がりを融合させた作品で高い評価を受ける鬼頭。近年、ペインティングシリーズ「cartwheel galaxy」を主軸に様々な立体、インスターレーションを制作・発表しながら線のあり方、色と光の関係の考察を続けている。それぞれの作品の要素が融合し、またそれぞれの形式にフィードバックしていくプロセスは、個々の作品に独自の構造をもたらし、その結果生まれたのが今回の個展タイトルにもなっている新シリーズ「big rip」だ。

「big rip」は、宇宙のすべての物質は加速を続け、ある時点でバラバラになるという宇宙の終焉についての仮説を意味する。拡散と収束を繰り返し、加速度的な展開を見せる鬼頭の新作群に注目してほしい。