EXHIBITIONS

名もなき実昌「@Sanemasa5x #絵画以上落書き未満」

2021.11.03 - 11.15

名もなき実昌 ふぃんが~ぺいんと(こちらを見ている|д゚)) 2021

 名もなき実昌の個展「@Sanemasa5x #絵画以上落書き未満」がOIL by 美術手帖ギャラリーで開催される。本展では5メートルを超える大作のほか、最新作数点を発表する。会期は11月3日〜15日。

 名もなき実昌は1994年生まれ。展示と並行してインターネットやSNS上での作品発表を行うインターネット画家。Twitterによる作品の投稿・発表を2015年より開始し、インターネット上の人格や画像と、アニメキャラクターの類似性をテーマにした作品や、インターネットミームを取り込んだ作品などを制作してきた。

 近年では、「⽔の波紋展2021」(ワタリウム美術館ほか、東京)への参加や、個展「未定のイメージ(⽩紙)」(NADiff Gallery、東京、2021)など国内各地で作品を発表。いっぽうで現在も福岡を拠点とし、地元では他地域の作家とのグループ展も精⼒的に⾏っている。

 本展では、作家自身の暮らす⼟地・福岡の美術の歴史や動向と、⾃⾝の⽇常的な体験をもとにした新作を発表する。

 とくに見どころとなるのは、幅5メートルを超える大作。2020年の布施琳太郎との展覧会「Pandora Battery」(IAF SHOP*、福岡)で発表した映像作品をさらに発展させた本作は、福岡の「大浜流灌頂(おおはまながれかんじょう)」と呼ばれる祭りで使用される武者絵大灯篭を起点にしている。また、博多の絵師・海老崎雪溪(えびすざき・せっけい)の絵画、青森のねぶたなどとともに、キャラクターやインターネット上の画像をモチーフとして制作。それらがノイズに飲み込まれていくような絵図が、その類似性や喪失についての作家の私的なメモや思考のように記されている。

 大作について作家は、「コロナ禍における内省的な作品であり、個人的につながりを感じ、関心を向けた有象無象のモチーフを煙のようなノイズの中であいまいな状態で固定するため」と語っている。

 なお本展の出品作は、会場とアートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術⼿帖」にて販売される。