EXHIBITIONS

オカルティック・ヨ・ソイ

2021.10.29 - 12.12
 東京を拠点に活動するアーティスト集団・オル太と、美術家・原田裕規の新作展「オカルティック・ヨ・ソイ」がデカメロンで開催される。本展キュレーションは檜山真有。

 オル太は都市や街に根付く土着の空気感を綿密にリサーチし、演劇やゲームなどの親しみやすい形式で発表してきた。いっぽう原田は、心霊写真やオープンワールドゲームなどをモチーフに、作家自身の身体や認知の限界に挑みながら、「イメージの倫理」を模索する作品を展開してきた。

 新作の制作にあたり、オル太は新たに都市のリサーチを行い、演劇とインスタレーション・アートの形式を踏襲した作品を制作。また原田は、あらゆるコミュニティ、欲望、歴史からも見捨てられた市井の人々の写真群を用いて、情報を再結晶化させる「One Million Seeings」シリーズの新作映像を発表する。

「オカルティック・ヨ・ソイ」という展覧会名はキュレーター、檜山真有の造語。オカルトはラテン語「occulete」の過去分詞 「occulta(隠されたもの)」を語源とし、目で見たり、ふれて感じたりすることのできないことを、そして「ヨ・ソイ(Yo Soy)」はスペイン語で「私は(I am)」を意味する。本展の「オカルティック・ヨ・ソイ」には、「自分の輪郭というのはヨソ(余所)からの見えと、ソイ(素意)により出来上がる。そこに偶然性や超自然的現象などの目で見たり、触れて感じることのできない現実と想像のはざまを往来して立ち現われるものから自分の輪郭を見出す」という意味が込められている。

 会場であるデカメロンは、ボッカッチョの小説である『デカメロン』になぞらえ2020年7月に誕生したギャラリーで、1階にバーを併設しており、本展に合わせたオリジナルモクテルを販売予定だ。