EXHIBITIONS

Dear Summer

ジャンフランコ・ザッペティーニ / 平川典俊 / ジョエル・アンドリアノメアリソア

2021.07.03 - 07.31

ジョエル・アンドリアノメアリソア Blue take me to the end of all loves 2019

ジャンフランコ・ザッペティーニ Misteri 1, 01.07.04 2004

平川典俊 Subject H 2004

ジョエル・アンドリアノメアリソア Vertigo 2019

 名古屋のSTANDING PINEでは、グループ展「Dear Summer : ジャンフランコ・ザッペティーニ / 平川典俊 / ジョエル・アンドリアノメアリソア」を開催。本展では、3名のアーティストによる代表作や新作を展示する。

 ジャンフランコ・ザッペティーニは1939年イタリア・ジェノヴァで生まれ、現在は2003年にザッペティーニ財団を設立した地、キアーヴァリで活動。イタリア戦後美術を代表するムーブメント「Pittura Analitica(Analytical Painting)」の作家のひとりであり、アクリル絵具を何層にも重ねて描き加える抽象絵画で知られる。その活動はアメリカのミニマリズムやヨーロッパの様々な抽象芸術ムーブメントと密接に関わっており、国際的な再評価が高まっている。

 本展では、ザッペティーニが初期の頃から一貫してテーマとしている構造主義に加え、禅や道教、スーフィズムなどの思想を取り入れ、特定の色や金や銀などの物質の象徴性や精神性を追求した2000年代以降の作品を中心に展示する。

 平川典俊は1960年福岡県生まれ。93年よりニューヨークを拠点に活動。応用社会学を学んだのち、88年より作家活動を始め、現在は国際的な現代アーティストとして知られている。これまで、写真、映像、ダンス、インスタレーション、パフォーマンスなどの多岐にわたる作品を制作。人間の活動は私たちが生きるうえでの文化をかたちづくると信じる平川は、この文化の拡大のために自身の作品を通して人間の認識の限界を押し上げ、未来の美学的見識を改変することを試みている。

 本展では、現代建築のあり方に疑問を呈し、人間が建築のなかの主題として見直されるべきというテーマのもとに、建築家トム・メインとのコラボレーションにより制作された写真シリーズ「Subject」を公開する。

 ジョエル・アンドリアノメアリソアは1977年、マダガスカルのアンタナナリボ生まれ。現在はパリとアンタナナリボを拠点に、国際的に活躍するアフリカ系アーティストのひとりとして注目を集めている。その作品は、ファッションからデザイン、映像、写真、舞台美術、建築、インスタレーション、ヴィジュアル・アーツまで様々な分野での修業を活かし、テキスタイル、紙、鉱物などから、時には予想外の素材を用いて制作され、言葉では表現することが困難な人間の抽象的で曖昧な感情や物語を呼び起こす。

 本展では、作家の故郷であるマダガスカルの空を想起させるようなブルーに焦点を当てたインスタレーション作品《BLUE TAKE ME TO THE END OF ALL LOVES》を展開。その他、テキスタイルを用いた平面、立体作品を発表する。