EXHIBITIONS

モリマサト「Lonsdaleite Year」

2021.06.05 - 07.04

モリマサト ロッキンチェアー Rocking chair 2021 © Masato Mori Courtesy of NANZUKA

モリマサト 個展「Lonsdaleite Year」(NANZUKA UNDERGROUND、東京、2021)展示風景より © Masato Mori Courtesy of NANZUKA

モリマサト 個展「Lonsdaleite Year」(NANZUKA UNDERGROUND、東京、2021)展示風景より © Masato Mori Courtesy of NANZUKA

モリマサト 個展「Lonsdaleite Year」(NANZUKA UNDERGROUND、東京、2021)展示風景より © Masato Mori Courtesy of NANZUKA

モリマサト 個展「Lonsdaleite Year」(NANZUKA UNDERGROUND、東京、2021)展示風景より © Masato Mori Courtesy of NANZUKA

モリマサト 個展「Lonsdaleite Year」(NANZUKA UNDERGROUND、東京、2021)展示風景より © Masato Mori Courtesy of NANZUKA

モリマサト 個展「Lonsdaleite Year」(NANZUKA UNDERGROUND、東京、2021)展示風景より © Masato Mori Courtesy of NANZUKA

モリマサト 個展「Lonsdaleite Year」(NANZUKA UNDERGROUND、東京、2021)展示風景より © Masato Mori Courtesy of NANZUKA

モリマサト 個展「Lonsdaleite Year」(NANZUKA UNDERGROUND、東京、2021)展示風景より © Masato Mori Courtesy of NANZUKA

 NANZUKAが、渋谷区神宮前にフラッグシップ・ギャラリー「NANZUKA UNDERGROUND」を新しくオープン。こけら落としは、モリマサト(Masato Mori)の新作個展「Lonsdaleite Year」を開催する。

 モリは1976年徳島県生まれ。現在も徳島市内にて活動を続けている。近年、Art Basel Miami BeachのNovaセクションでのソロ展示(2019)、Jeffrey Deitchで開催された展覧会「Tokyo Pop Underground」(2019・20)への参加と、活躍の場を国内外に広げている。

 モリの絵画は、鮮やかな色彩と複雑なテクスチャーで描かれているいっぽう、どこかコミカルで軽快な印象を持つ。この作風に至る過程で、モリは自身の創作活動のルーツとなっている様々な影響関係について分析を繰り返し、マンガやテレビゲーム、アニメーションなど自身の美学的観点との合致点を探った。また近年の作品からは、子供の絵や障害者の芸術を研究したジャン・デュビュッフェやパウル・クレーなどとの親和性や、芸術の根源的なテーマとも呼べる純真性、無心性を垣間見ることができる。

 モリは自分の興味や関心を「熱中」と呼べる次元まで高めることで、創作活動のエネルギーを発電する。昆虫採集、川遊び、動物や植物の育成、ゲームやマンガ。こうした遊びの延長にあるアーティストの日常は、やがて作品のソースとして回収される。またモリの創作過程でとくに着目すべき点は、立体作品と平面作品との相関関係だ。

 モリは、ペンタブレットのツールで描いたグラフィックを、ペインティングの下絵として好んで用いる。絵具をキャンバスに乗せていく工程で、グラフィックと異なるテクスチャーを表現することは、モリにとって重要な創作行為であるという。そのいっぽうで、セラミックやブロンズなどの立体作品は、完成したペインティングを下敷きに色鉛筆で描き起こしたドローイングを下絵として制作している。グラフィック、ペインティング、ドローイング、立体という異なるメディアを、3次元と2次元を交差させるように制作するプロセスは、モリが実験を繰り返すことで自然とたどり着いた手法だ。

 本展では、モリの徳島での日常生活を綴った、絵日記とも呼ぶことができる作品シリーズを展示。大作のペインティング12点とブロンズ作品4点は、1年以上の準備・制作期間を経て完成し、すべてが新作となる。