EXHIBITIONS

現代地方譚8 おちこちのひびき

池添俊 須崎市でのリサーチの様子

松田唯 須崎市でのリサーチの様子

KOMAKUS 須崎市でのリサーチの様子

 高知県須崎市のアートプログラム「現代地方譚」の8回目が、すさきまちかどギャラリーほか各所で開催される。

「現代地方譚」は2014年よりスタート。県内外より招聘された美術作家によるアーティスト・イン・レジデンスの成果発表と、音楽・演劇公演、短編映画上映や各種ワークショップなどで構成される、ジャンルをまたいだ地域の文化振興事業だ。

 第8回のテーマは「おちこちのひびき」。感染症という予期せぬ事態で往来が閉ざされたいまを思索と実験の機会とし、これまで聞くことができなかった、「遠い所と近い所」「あちらこちら」「将来と現在」「昔と今」の声・音に耳を傾ける。

 今期のアーティスト・イン・レジデンスには、映画監督の池添俊、サウンドアートを手がけるKOMAKUS、テキスタイルアーティストの松田唯の3名が招聘された。池添は須崎に伝わる神事や民話を取材し8ミリフィルムに収めた。KOMAKUSは四国巡礼の途上で各地の音を集め、松田は一組の老夫婦との交流をもとに草木染で衣服を制作。それぞれがすさきまちかどギャラリーや廃業した銭湯の建物内にインスタレーションを行う。さらに、過去の「現代地方譚」の招聘作家から、工藤夏海、佐々瞬、モンデンエミコ、山根一晃の4名を迎え、従来のアーティスト・イン・レジデンスによるアプローチを継続しつつ、これまでにかかわったアーティストたちと再接続する。

 アーティストの視点を手がかりに、「いま」の地域のあり様を町の人たちと語り合おう、と始まった「現代地方譚」。須崎市の各所で参加アーティストたちによる作品展示、朗読会や映画、出版のワークショップなどのプログラムを展開し、「おちこち」からの響きを集め、とらえ、それらの調律を試みる。