EXHIBITIONS

藤田嗣治 布との対話-筒描・藍染を慈しむ-

2021.01.16 - 03.07

茶道具文様筒描布団鏡表 メゾン=アトリエ・フジタ、エソンヌ県議会蔵

藤田嗣治 片身替袢纏 メゾン=アトリエ・フジタ、エソンヌ県議会蔵

 秋田県立美術館が企画展「藤田嗣治 布との対話-筒描・藍染を慈しむ-」を開催する。

 生涯、染織品や衣装を愛し、自ら収集した品を手元に置いた藤田嗣治。それらの布は、絵の重要なモチーフとして藤田の描いた作品のなかにもたびたび登場している。藤田が心を寄せた布は、実際に身につける、庶民の暮らしのなかの布だった。

 1930年代にパリを離れ、中南米旅行を経て日本に帰国した後は、旅のなかで目にした様々な民族の文化に関心を寄せ、それらを自身の創作に昇華。布は人々の営みを内包するものとしてとらえた精緻に描写からは、藤田の布に対する並々ならない思い入れを感じ取ることができる。

 本展では、布が描かれた1930年代の藤田作品を中心に展観するとともに、フランス・エソンヌ県にあるメゾン=アトリエ・フジタが所蔵する、藤田が日本滞在中に収集した布や着物を紹介する。
 
 藤田が大切にした「茶道具柄の筒描の布」を端緒に、愛着をもって接していた染織品や小物、また画家自ら手がけた衣服を展示。布という工芸品から、日本人の営みを描いた藤田の画業に迫る。