EXHIBITIONS

塩田千春「消えた展覧会 ーこの気持ちをどこにー」

塩田千春 参考画像 Photo by Sunhi Mang © JASPAR, Tokyo, 2020 and Chiharu Shiota

会場風景 ケンジタキギャラリー / 東京 ©︎ JASPAR, Tokyo, 2020 and Chiharu Shiota Courtesy of Kenji Taki Gallery

会場風景 ケンジタキギャラリー / 東京 ©︎ JASPAR, Tokyo, 2020 and Chiharu Shiota Courtesy of Kenji Taki Gallery

 自らの経験や身体感覚をもとに、生と死といった根元的なテーマに向き合うアーティスト・塩田千春。新作による個展がケンジタキギャラリー / 東京で開催されている。

 塩田千春は1972年大阪府生まれ。空間に糸を張りめぐらせた大規模なインスタレーションをはじめ、人の気配や記憶が宿る衣服や、本、鍵などのオブジェを用いて「存在」のあり様を探求。近年は人の移動や時の流れを示唆する船、あるいは船のかたちをモチーフにした作品も展開している。2019年に大規模個展「塩田千春展:魂がふるえる」(森美術館)が開催。日本を代表するアーティストのひとりとして広く知られている。
 
 今年、世界的な感染症の影響により、予定されていた多数の展覧会が延期を余儀なくされ、作家にとっての日常が一変した。本展では、塩田がアトリエで制作を続けた日々と心の葛藤を、現在のアトリエ風景をもとに作品化した新作インスタレーションを展示する。

 展示室の中央には、アトリエの作業台のようなテーブルを配置。作家のメモ書きを含む紙切れや立体的なドローイングとも言える様々なオブジェで埋め尽くし、空間全体をインスタレーションとして構成する。