EXHIBITIONS

日比野克彦を保存する

日比野克彦

アトリエの様子

アトリエの様子

 渋谷のマンションの一室にある日比野克彦のアトリエは、老朽化による建て替えのため、まもなく失われる。アトリエは、制作の場、事務所、倉庫、あるいは生活の場といった多様な役割を経ながら現在に至り、まさに日比野克彦という人間を表す空間である。しかし、その空間はまもなく失われてしまう。

 東京藝術大学文化財保存修復センター準備室は、アトリエの保存を急務と考え「日比野克彦アトリエ保存プロジェクト」を発足。この最初の取り組みとして、展覧会「日比野克彦を保存する」を開催する。

 本展では、作品のみならず、画材、生活用品、壁の落書き、マンション、さらにはアトリエが存在する渋谷の街までもが保存の対象である。アトリエを構成する各要素について様々な保存事例を提示し、日比野克彦の保存に挑む。

 同準備室は本展の開催にあたって、「芸術に携わる学生をはじめ、すべての来場者にとって、芸術の保存を身近に感じるきっかけにしてほしい」としている。