EXHIBITIONS

小企画展

若きセザンヌの挑戦

2020.09.19 - 11.29

ポール・セザンヌ 林間の空地 1867 諸橋近代美術館蔵

ポール・セザンヌ 宗教的な場面 1860-62 ポーラ美術館蔵

カミーユ・ピサロ ポントワーズ丘陵、牛飼いの少女 1882 諸橋近代美術館蔵

 フランスを代表する画家のひとり、ポール・セザンヌの若き日に焦点を当てた小企画展が諸橋近代美術館で開催される。

 裕福な銀行家の長男として南仏のエクス=アン=プロヴァンスで生まれたセザンヌ。画家を目指すため22歳でパリに向かい、サロンでは落選を重ねながらも、画塾やルーヴル美術館にて修練に励んだ。また、当時の前衛芸術家や印象派など若い画家たちとの親交から、多くの影響を受けた。

 本展では、セザンヌの初期作品のひとつであり、戸外制作への関心を示す《林間の空地》を中心に、画家の初期時代にあたる1860〜70年までの画業に注目。林檎の静物画やサント=ヴィクトワール山を主題とした、よく知られているセザンヌの後年作とはまた異なる、古典的な主題、暗い色調や厚塗りの筆触での描写など、挑戦と挫折のなかで生み出された作品を紹介する。