EXHIBITIONS

浦上コレクション

北斎漫画

2020.08.10 - 09.27

葛飾北斎 縦・横 『北斎漫画』十二編

葛飾北斎 潜水瓶と水中遊泳 『北斎漫画』四編

葛飾北斎 雀踊り 『北斎漫画』三編

葛飾北斎 鯨・鮫ほか 『北斎漫画』二編

葛飾北斎 怨霊と祐天和尚 『北斎漫画』十編

 波や富士山の絵で世界的にも有名な江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎。自らを「画狂人」と呼び、こ世のありとあらゆるものを描きつくした生涯は、創作の連続であった。

 北斎は狩野派や唐絵など伝統的な絵画を学んだいっぽう、西洋絵画からも刺激を受けて自らの芸術の糧とし吸収。市販品である錦絵では役者絵、美人画を手がけ、花鳥画や「富嶽三十六景」に代表される名所絵など新たなジャンルを開拓した。また、1点ものの肉筆画や、一部の好事家向けの摺物などにも優れた作品を残し、曲亭馬琴らの読み本の挿絵や、数多くの門人のために描いた絵手本も豊富に残している。

『北斎漫画』は 1814(文化11)年、名古屋の版元永楽屋東四郎(東壁堂)から出版され、高い人気に支えられながら 1878(明治11)年までの長きにわたり全15編が刊行。活き活きとした人物表現、ユーモアに満ちた内容、独自の視点に基づいた構図など、『北斎漫画』の魅力は当時のヨーロッパにも伝わり、ジャポニスム・ブームの誘因のひとつとなった。

 本展では、世界一の質と量を誇ると評価される『北斎漫画』コレクター・浦上満のコレクションより、現代の絵画に通じる『北斎漫画』の魅力を紹介。動物、魚などの生き物から、変顔、ダンス、不思議な想像世界まで、味わい深い200点の作品が集う。